しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「デス・コレクターズ」 ジャック・カーリィ  

2010年04月01日 | 読書
「デス・コレクターズ」 ジャック・カーリィ    文春文庫
 THE DEATH COLLECTORS     三角和代・訳

アメリカ、アラバマ州モビール。
前の事件を解決したハリー・ノーチラス刑事とカーソン・ライダー刑事は、今年の最優秀刑事に選ばれ市長に表彰される。
次の日、コージー・キャビンズのモーテルで、蝋燭と花で飾られた売春婦と思われる女性の死体が発見される。
死体は1度埋められていたことが判る。
事件現場に絵画はなかったかと問い合わせて来た男がいたが、現場に絵画はなかった。
モーテルから見つかった指紋に行方不明になっている弁護士、ルービン・コイルのものがあった。
ルービンは失踪する前に、絵が描かれたキャンバスの切れ端が送られて来たと言う。
その絵を見た補助員のリディアは、その絵が長いこと見ていると悪夢を見ている気分になるものだと。
ライダーは事件と絵画について問い合わせて来た男、ジェイコブ・C・ウィロウに会いに行く。
ウィロウは元アラバマ州警刑事で、30年前に法廷で射殺された連続殺人犯で画家のマーズデン・へクスキャンプ事件を担当していた。
ウィロウは連続殺人鬼のゆかりの品を集めるコレクターの存在を話す。

カーソン・ライダー刑事、第2弾。




今回もPSIT《精神病理・社会病理捜査班》が出番となる奇怪な事件が起こる。
実はそこがポイント。
登場人物や背景が始めから分かっているので、最初からカーソンとハリーの会話など楽しめる。
オカルト的な事件だが、現実味もある。
伏線がたくさんあり、後から分かって来るほどに感心して納得。
「百番目の男」よりも、もっとしっかり計算された物語。振り返ってみるのも面白い。
カーソンの心情もサイドストーリーとしても興味深い。
カーソン自身が成長過程の若者だから。
家族や女性や恋人に対して、葛藤しながら生きている。

今回登場する、犯罪者の記念品を集めるコレクター。
死に関係するものに魅力を感じるというのは分からない。不気味なだけ。
殺人鬼と同じくらい異常な感じがする。
そういう物語は好んで読んでいるのだが、どこか違う。



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