「マリアビートル」 伊坂幸太郎

「マリアビートル」　　伊坂幸太郎　　　　　　角川書店

東京から盛岡に向かう東北新幹線「はやて」。
閉ざされた車両の中で繰り広げられる物語。
乗っているのは、殺し屋たち。
檸檬と蜜柑は、大物峰岸の息子とトランクに入った現金を盛岡に運ぶため。
そのトランクを盗む依頼を受けた、七尾。
木村は、幼い息子を屋上から突き落とした中学生、王子に復讐するために。





“この物語は、「存在しない新幹線」が走行する、現実とは異なる世界でのお話」”だそうだ。
そう思っても、人がばたばたと死んで行く展開は、あまり好きではない。
そして、人を操ることに喜びを感じる王子の存在も、不快でしかない。
ひとことで言って、楽しくない物語。
時々、伊坂さんはこのような世界を描く。
そうでない世界もたくさんあるのだが。
今回は、自分には、駄目な世界。