しましましっぽ

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「あの頃の誰か」  東野圭吾 

2012年06月16日 | 読書
「あの頃の誰か」  東野圭吾        光文社文庫

8編からなる短編集

「シャレードがいっぱい」
津田弥生が恋人の北沢孝典の部屋を訪れて、孝典が死体を発見する。
孝典が勤めていた高級スポーツクラブの社長、中瀬公次郎の遺産が絡む事件が係っているようだ。
遺言がなくなり、それを取ったのが、孝典らしい。
孝典が残したダイイング・メッセージ“A”は。

「レイコと玲子」
街灯もない細い道にある自動販売機と公衆電話。
その近くに、若い娘がひっそりと立っていた。
そして、やって来た男をナイフで刺して立ち去る。
浅野葉子は深夜、自分のマンションのそばで、記憶をなくした少女を助ける。

「再生魔女の女」
根岸峰和、千鶴夫婦は養子として男の子の赤ん坊を受け取る。
養子の仲立ちをしてくれた中尾章代は最後の確認をしたいと、峰和を残す。
そして確認の話は、なぜか体外受精や代理母の話になっていく。

「さよなら『お父さん』」
『秘密』の原型
事故で死んだ母親と助かった娘。
意識を取り戻した娘には、母親の精神が入っていた。

「名探偵退場」
老いた探偵が、もう一度鮮やかに謎解きをしたいと願いつつ、昔の輝かしい事件を本にしようとしていた。
そんな時、事件の依頼がある。
それは、昔の輝かしい事件と酷似していた。

「女も虎も」
真之介は刑罰として、『女か虎か』の2つの扉を選ばなければならない。
女なら助けり、虎なら殺される。
しかし、その時扉は3つあった。

「眠りたい死にたくない」
とんでもない事態になっている僕。
何故そうなったか、考える。
理由は推理出来たけど、この事態を脱する方法は見つからない。

「二十年目の約束」
亜沙子は、村上照彦と子どもは作らない約束で結婚した。
やがて、ひとつの事件から、照彦がなぜ子どもを作りたくないのか、真相が分かる。
そして同時に明らかになることがあった。





今まで、どの短編集にも収録されなかった「訳あり物件」。
という事で、作者の言い訳付。
短編らしい、テンポのある物語。
バラエティーにも富んでいる。
「名探偵退場」は、なるほどそうだよなと納得。
事件を取り上げることは、昔は本や新聞。
今は電波に乗ってあっと言う間に伝わる。
それが昔の事件でも、その関係者がどれほど影響されるか。
報道する方も考えなければならないことだと思うのだが。
自分の利益だけ考えたら、いけない。
まあ、事件は欲が生み出す物が多いのだが。

「眠りたい死にたくない」の感じも面白かった。

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