しましましっぽ

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「契約」 ラーシュ・ケプレル

2021年11月15日 | 読書
「契約」 ラーシュ・ケプレル  ハヤカワ・ミステリ文庫   上・下巻
  PAGANINIKONTRAKTET    ヘレンハルメ美穂・訳

24歳のペネロペ・フェルナンデスはスウェーデン平和仲裁協会の会長を務める活動家。
スウェーデンは軍需品の製造と輸出が全面的に禁止されているが、戦略製品査察庁という機関が調査して、許可が下りれば輸出が可能なる。
ペネロペは軍需品製造会社の社長ポントゥス・サルマンとテレビでの対談を終え、怒りと不満を抱えながらも、恋人のピヨルン・アルムスコークとクルーザーで過ごす為、ロングホルメント島のヨットハーバーへ向かう。
2人でゆっくり過ごす予定だったが、妹のビオラが失恋したからクルーザーに乗りたいと加わる。
沖で、ピヨルンと島に下りて戻ると、ビオラが死んでいるのを発見する。
そして、黒い衣装の不審な男を見つけ、その男がビオラを殺したと分かりピヨルンと2人で逃げ出す。
ビオラは発見された時は、ペネロペだと思われ死因は溺死だとされた。
一方、ストックホルムでは、戦略製品査察庁の長官カール・パルムクローナが自宅で首を吊って死んでいるのが発見される。
スウェーデン国家警察のヨーナ・リンナ警部は、この2つの死に疑問を持つ。
やがて、2人の死は1つの事件へと結びついていく。
   
「ヨーナ・リンナ警部」シリーズ第2弾。





今回も面白かった。
かなり話が大きくなり、その分、ヨーナの活躍も大きくなる。
こんなに優秀な人物だったのだと。
他の登場人物も個性的で面白い。
謎の深まりも、解決のテンポも良く、納得しながら読んでいる。

タイトルは「契約」だが、正確には『パガニーニの契約』。
「伝説のバイオリニスト、ニコロ・パガニーニは1782年イタリアのジェノヴァに生まれる。
独学でバイオリンと作曲技術を身に付ける。
パガニーニの複雑な作品を弾きこなす、超絶技巧を得るために、パガニーニは悪魔と契約を結んだとの噂が、つきまとっていた」との事。
そのタイトル通りの物語。
悪魔の契約とはこんなものなのだと改めて思う。
悪夢は刈り取れない。


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