しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「ラスプーチンの庭」 中山七里

2021年11月09日 | 読書
「ラスプーチンの庭」 中山七里  角川書店 

警視庁捜査一課の犬養隼人は娘の沙耶香は腎臓疾患で帝都大付属病院に長期入院している。
沙耶香は同じ中学生で、腎臓疾患で入院している庄野祐樹と仲良くしていた。
その祐樹が突然退院し自宅療養をすると言う。
そして、退院から1か月過ぎた頃、祐樹は死亡する。
沙耶香と一緒に祐樹の葬儀に参列した。
その時、犬養は参列者の後ろの方にいる人物は警察官だと気が付く。
そして、祐樹を見た時、首の下に変な痣があるのを見つける。
犬養はその警察官、志度と話をする。
祐樹には身体中に痣があったそうだが、虐待の様子はなく、死因は間違いなく腎不全による病死だったと言う。
しかし、志度は納得がいかず、1人で調べているとのことだった。
それから半月後、公園で病気を苦にして自殺した女性からも祐樹と同じ痣が見つかる。
犬養は本格的な捜査に乗り出す。
そして浮かび上がったのが、〈ナチュラリー〉と言う民間医療団体だった。






ロシア帝国崩壊の一因を作ったとされるラスプーチン。
どんなラスプーチンが登場するのかと。
最初の章である汲田一家の物語から、これは姉妹による復讐の物語だとわかる。
宗教的な要素を持つ、民間の医療団体がその復讐にどう関わっているのか。
どんな復讐なのか。
大きな物語を想像しながら読んでいたが、なかなか話は大きくならず、〈ナチュラリー〉に関わった患者で登場するのは祐樹を入れて4人。
四ノ宮愛美とアイドルと政治家だけ。
警察の民間医療にたいする意見や思いを聞かされる。
話が盛り上がらずに普通に終わってしまった。
トリックがほとんどなく物足りない。
現代医療に対しての疑問や不条理なことは分かる。
今の社会は病気の治療も金次第。
自然治癒力もある程度信じている。
ただそれが物語に生かされなく、結局姉妹の復讐は社会をどうしたかったのだろうと疑問に思うだけ。
そして、ラスプーチンは高千穂明日香が似ていると思っただけ。
全然活躍しない人物で魅力もなく、ラスプーチンは大袈裟なタイトルと感じてしまった。



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