しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「転落の街」  マイクル・コナリー

2017年12月03日 | 読書
「転落の街」  マイクル・コナリー  講談社文庫   上・下巻
 THE DROP     古沢嘉通・訳

絞殺体に残った血痕。
DNA再調査で浮上した容疑者は当時8歳の少年だった。
ロス市警未解決事件班のボッシュは有名ホテルでの要人転落事件と並行して捜査を進めていくが、事態は思った以上にタフな展開を見せる。2つの難事件の深まる謎と闇!
許されざる者をとことん追い詰めていく緊迫のミステリー!
       <文庫本上巻裏表紙より>

ホテルから転落した市議の息子は殺害されたのか自殺だったのか。
背後にはロス市警の抱える積年の闇が潜んでいた。
一方、絞殺事件は未曾有の連続殺人事件へと発展する。
冷厳冷徹に正義を貫き捜査を進めるボッシュ。
仲間や愛娘に垣間見せる優しい姿と、陰惨な事件との対比が胸に迫る不朽のハードボイルド小説!
      <文庫本下巻裏表紙より>









2つの事件を扱う物語。
テレビドラマだと普通に出て来るが。
2つと言っても、現代とコールドケースなので関連はないのだが。
2つの事件は対等に書かれていて、どちらも興味深く面白い。
ただ、捜査に当たるボッシュの態度が、かなり乱暴で傲慢な感じになった。
タクシー会社の関係者には、全く相手も事な考慮しない態度。
それぞれ、暮らしがあって生活しているのに、まるで即犯罪者の扱い。
あんな感じに扱われたら、警察は絶対嫌いになるだろう。
ボッシュも段々落ち着いて来た気がしていたのだが。
相棒に対してもそうだ。
かなりボッシュの独断で我儘な要素が強く出ている。
結局、ボッシュが信じられるのは自分だけなのだ。
これは、マデリンと暮らすことによるストレスなのだろうか。
娘は愛おしいけど、どう関係を持ったらいいか試行錯誤しているのは、やはりストレスになるだろう。
宿敵と言えるアーヴィン・アーヴィングが関わっていることもある。
どちらにしても、ストレスいっぱいのボッシュだ。
政治的な要素も多く登場するロス市警。
その政治的な事も、色々なパターンがあるのだと知る。

本筋とは違うところだが、護身の為、ボッシュがマデリンに銃を扱わせる。
銃の大会に10代の部もある。
それが当然の事として考える国民。
やはり銃が身近にあるアメリカとは世界が違う。

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