しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「暗く聖なる夜」 マイクル・コナリー 

2017年07月19日 | 読書
「暗く聖なる夜」 マイクル・コナリー  講談社文庫   上・下巻
 LOST LIGHT         古沢嘉通・訳

ハリウッド署の刑事を退職し、私立探偵となったボッシュには、どうしても心残りな未解決事件があった。
ある若い女性の殺人と、その捜査中目の前で映画のロケ現場から奪われた200万ドル強盗。
独自に捜査することを決心した途端にかかる大きな圧力、妨害・・・
事件の裏にはいったい何が隠されているのか?
    <文庫本上巻裏カバーより>

ロス市警のみならず、FBIからも激しい妨害と警告を受けるボッシュ。
孤独な捜査を進める彼に貴重なヒントを与えてくれたのは、今は全身不随の身となった元刑事のクロスだった。
が、その身辺にも危険が迫り・・・・・・。
たくさんのもつれた糸が絡み合い、人の心の闇を炙り出す!
現代ハードボイルドの最高峰。
<文庫本下巻裏カバーより>

「ハリー・ボッシュ」シリーズ第9弾。










刑事の時の未解決の殺人事件が気になり調べ始めるボッシュ。
刑事でなくなっても、気持ちは何も変わらない。
そして、突然の調査妨害。
何故そこまでと思えるのが権力者の横暴なのか。
殺人事件の他にも、200万ドル強奪事件や、FBI捜査官の行方不明。
多くの謎が出て来る。
物語の中には、メインと関係のない事件が起こっていたりすることがある。
しかしこの物語は、その事件すべてがひとつの流れの中に納まって行く。
些細な事から推理を働かせていくボッシュは、益々探偵のようだ。
今回は最後に関係者を集めて、その謎解きの場面があるのかと思ったら。
思わぬ大立ち回りが発生。それはなかった。
しかも、後でロイ・リンデルが言ったように、これは起こさなくても良かった事だった。
でもこれがなかったらハリーとミルトンの対決になっていたのか。
どこまでも考えられている。
水の壜も。出来過ぎだけど。
エレノアに執着してウジウジしているボッシュ。
そろそろ女々しく感じて来たが、そこにも思わぬ展開が。
また次作が楽しみになった。


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