しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「目撃」 ポール・リンゼイ 

2010年11月10日 | 読書
「目撃」 ポール・リンゼイ   講談社文庫
 WITNESS TO THE TRYTH       笹野洋子・訳

FBI特別捜査官、マイク・デヴリン。
マイクは本来の正義が行なわれる為には、多少の組織内のルール違反はいとわない。
単独逮捕は禁止だが、目の前に指名手配犯がいると、逮捕してしまう。
そんな行動を、上司のジョン・フォーバーは嫌い、デヴリンを排除しようと画策する。
フォーバーは規則に縛られた管理主義者で〈ヨーダ〉と呼ばれ、追随する職員は〈ジェダイ〉。
その〈ジェダイ〉のひとり、トム・アンダーソンの娘ヴァネッサが行方不明になる。
フォーバーは家出と判断して捜査しようとはしない。
アンダーソンは、デヴリンに相談する。
そんな中、ギャングに警察協力者のリストが渡されようとしているとの情報が入る。
FBIの中に、内通者がいる。




始めからすんなりと物語の中に入り込め、読みやすく、面白かった。
同じFBIの中で、価値観が違う2つのグループ。
価値観と言うか、一般常識と言った方がいいかも知れないほど、欲が先行すると常識がなくなる。
それが社会を守る警察組織という所が、怖い。
同じ気持ちで、正義を求めることが出来る仲間。
まるで7人の侍のような、仁義ある集団。
片や、ヨーダを中心にしたジェダイグループ。
FBIだから、悪ではなく形としては正義には見えるのだが。
そんな構図も面白いが、現実にそうだとしたら、面白いとは言っていられない。
本来、市民が期待している仕事に支障が出るだろう。
しかし、これは現実らしい。
書いたのが、現役のFBI捜査官なのだ。

7人の侍グループ、印象に残っているの部下は3人。
ドクターことアガッシュと、シャナハンとエドガー・リビングストン。 
緊迫感もあるし、捜査もそう簡単にはいかない所など、現実的ですんなり受け入れられた。
ただ、エドガーのラストだけは不満。
もっと何とかなった気がするし、何とかしなければいけなかったのではないだろうか。
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