しましましっぽ

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「アルセーヌ・ルパン全集15 カリオストロ伯爵夫人」   モーリス=ルブラン 

2013年05月10日 | 読書
「アルセーヌ・ルパン全集15 カリオストロ伯爵夫人」   モーリス=ルブラン    偕成社
La Comtesse de Caglistro              竹内英夫・訳

20歳のアルセーヌ=ルパンは、母方の姓ラウール=ダンドレジーと名乗っていた。
ラウールは、ゴドフロワ=デティーグ男爵の18歳のひとり娘、クラリスに恋をして、2人は愛し合う。
しかし、結婚を申し込みに行き、男爵にこっぴどく断られる。
その時、書斎での男爵の態度に秘密を感じたラウールは、夜中に書斎に忍び込み、隠していた手紙を見つける。
そこには、ある女性を暗殺する企てが書かれていた。
ラウールはその企ての場所に赴き、男爵がボーマニャンという男の指示で動いているのを知る。
ボーマニャンは、カリオストロ伯爵夫人ことジョゼフィーヌ=バルモサと、ある秘密を巡って敵対していた。
ジョゼフィーヌは、18世紀の怪異なる人物、カリオストロの末裔を称し、絶世の美貌で男たちを惑わしていた。
ボーマニャンの仲間に捕らえられたジョゼフィーヌは、仲間3人を殺したと追及され死刑を宣告される。
しかし、その美しさにラウールは、ジョゼフィーヌの無実を信じ助ける。
ラウールはジョゼフィーヌに付いて行き、2人の対立の原因に加わって行く。
そして、2人が探している物の1部を、素早く探し当てたラウール。
ジョゼフィーヌに恋しつつも、敵対してボーマニャンとの三つ巴の争いになっていく。







アルセーヌ・ルパンを読むのは始めて。
次回のStudio life 公演なので、その予習。
アルセーヌ・ルパン誕生の経緯になった事件で、作品としてはかなり後だが、これから読んで良かったかも知れない。
ラウールの生い立ちや、心根がよく分かる。
全うな正義感を持ち、紳士だということ。
そして、若さゆえか美しさに惹かれるが、本質を見抜く目を持っている。
推理仕立てにもなっていているが、こちらの方はちょっと簡単な感じ。

ジョゼフィーヌとのやり取りや、気持ちの動きが丁寧に書かれて面白い。
何度も同じようなことを繰り返している感じもあるが、それはラウールも感じていることらしい。
なかなか決着が付かないのは、恋愛感情があるからか。
結構調子よくクラリスとの仲も取戻していく、ちゃっかり者。
ラウールの青春物語というのが、1番ぴったりする。

これから、ルパンも読んでみようかと思うが、まずはこの続きから。
ということは、最後からということか。
 
カリオストロにクラリス。アニメを思い出すが、名前はここからもらったということらしい。


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