しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「死の臓器」  麻野涼 

2019年08月26日 | 読書
「死の臓器」  麻野涼    文芸社文庫    

熊本県A市の日野誠一郎は聖徳会日野病院の医師で、泌尿器科の部長をしている。
ある日、日野医師は、A警察より、任意の取り調べを受ける。
容疑は、「臓器売買」の疑いだった。
日頃、日野医師は、人工透析患者を担当し、日本における「臓器移植」の困難に直面していた。
手をこまねいて、死を待つばかりの患者に、日野医師は、レストア・キッドニ(修復腎)、がん患者から摘出した腎臓の移植手術を何度か行っていた。
テレビ制作会社のディレクターの沼崎恭太は、事件の裏に陰謀の匂いを感じ、アジアでの「臓器売買」の実態を調べるため、上海に飛んだ―。
    <文庫本裏カバーより>








読み始めてすぐ、テレビドラマで見たことに気が付く。
内容は知っていても、面白かった。
サスペンスの要素も多いが、臓器移植についての実情も良く分かる。
レストア・キッドニも、日野医師の考えから納得出来る。
しかしこれを、テレビなどでセンセーショナルに報道されたらどう考えただろう。
マスコミが、すでに偏った考えで報道することの怖さを感じる。
この中には患者より儲けの事を考える医師が登場する。
そんな事はないと思いたい。
臓器移植については、他の物語でも問題提起されている物を読んだ事がある。
その中でも、日本人はお金で、欲しい物を手に入れていた。
「医療も金次第」になっているのは事実。
難しい問題。
サスペンスの要素の方は、真相が向うからやって来て解決して行く感じ。
意外とあっさりだった。



コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「慈雨」  柚木裕子  | トップ | 「犯罪小説集」  吉田修一 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

読書」カテゴリの最新記事