第1部 幻世の祈り
第2部 遭難者の夢
第3部 贈られた手
第4部 巡礼者たち
第5部 まだ遠い光
の5部からなる作品。単行本の構想を元に文庫5部作として新たに書かれたもの。
児童相談センターに勤め、児童心理学に携わる氷崎游子は酒に酔って子どもに暴力を振るう父親・駒田から子どもを保護するが、心を開かない子に胸を痛める。
また、子どもや女性の虐待に無関心な人達に怒りを感じていた。
高校の美術教師・巣藤浚介は同僚の恋人に結婚を迫られるが、家族を持つことに踏み切れない。
生徒の生活指導も、真剣には取り組めない。もう責任は教師にはないと思っていた。
そんな巣藤の隣の麻生家で、不登校の高校生の息子が両親を殺し自殺する。第一発見者が巣藤だった。
警部補の馬見原光樹は、子どもが父親・油井から虐待された事件の母子・冬島綾女、研司の世話をするうちに、その子から「お父さん」と呼ばれる関係になっていた。
馬見原の妻・佐和子は息子を事故で亡くした事などから、精神を病んで入院していた。
馬見原の娘は、兄の死も母親の病気も父親のせいだと責め、絶縁状態にある。
麻生家の事件を、子どもがそんな事をするとは思えない馬見原は第3者がかかわっているとして独自の捜査をする。
氷崎、巣藤、馬見原の3人は麻生家の事件、巣藤の高校の生徒・芳沢亜衣の非行、氷崎が気にかける少女・玲子とその父親、電話で悩み相談をしている女性・山賀葉子、その隣に住み葉子の手助けをしている大野甲太郎などがかかわり話は進んで行く。
タイトルの通り、家族の話である。
子どもへの虐待、子どもの親殺し、非行など今問題になっていることや色々な親子や家族の様子が書かれている。
両親を殺して自殺した家庭の事件もあるので、その解決に向けた話もあるが、多くの家庭問題があるのでその話だけが飛び出て目立つ感じでもない。
かなり息苦しさや気が重くなるが、これが現実。ニュースで流される事が遠いことではなく、身近で起こっているかも知れない。社会の一員として、まずは関心を持っていくことが必要なのだろう。
物語は5部のタイトルの通り、多少希望が持てる形で終わっているが、現実に光はあるのだろうか。
家族のあり方はこの先変わるだろうか。
子どもが虐待されるのを防ぐ為に保護をする。それは、子育てが出来ない人がいるから。
それなら、親よりも愛情を持って育てられる人に託した方が子どもは健全に育っていく。そんな社会がSFの世界では描かれている。もしかしたらその方が今ある問題解決の近道ではと思えてしまうが、それは自然の姿に反するのだろう。
とてつもなく、難しい問題という気がしてしまう。
この物語の大きなテーマとして、何があっても死んではいけない、殺してはいけないということがあり、それは重く伝わってくる。
第2部 遭難者の夢
第3部 贈られた手
第4部 巡礼者たち
第5部 まだ遠い光
の5部からなる作品。単行本の構想を元に文庫5部作として新たに書かれたもの。
児童相談センターに勤め、児童心理学に携わる氷崎游子は酒に酔って子どもに暴力を振るう父親・駒田から子どもを保護するが、心を開かない子に胸を痛める。
また、子どもや女性の虐待に無関心な人達に怒りを感じていた。
高校の美術教師・巣藤浚介は同僚の恋人に結婚を迫られるが、家族を持つことに踏み切れない。
生徒の生活指導も、真剣には取り組めない。もう責任は教師にはないと思っていた。
そんな巣藤の隣の麻生家で、不登校の高校生の息子が両親を殺し自殺する。第一発見者が巣藤だった。
警部補の馬見原光樹は、子どもが父親・油井から虐待された事件の母子・冬島綾女、研司の世話をするうちに、その子から「お父さん」と呼ばれる関係になっていた。
馬見原の妻・佐和子は息子を事故で亡くした事などから、精神を病んで入院していた。
馬見原の娘は、兄の死も母親の病気も父親のせいだと責め、絶縁状態にある。
麻生家の事件を、子どもがそんな事をするとは思えない馬見原は第3者がかかわっているとして独自の捜査をする。
氷崎、巣藤、馬見原の3人は麻生家の事件、巣藤の高校の生徒・芳沢亜衣の非行、氷崎が気にかける少女・玲子とその父親、電話で悩み相談をしている女性・山賀葉子、その隣に住み葉子の手助けをしている大野甲太郎などがかかわり話は進んで行く。
タイトルの通り、家族の話である。
子どもへの虐待、子どもの親殺し、非行など今問題になっていることや色々な親子や家族の様子が書かれている。
両親を殺して自殺した家庭の事件もあるので、その解決に向けた話もあるが、多くの家庭問題があるのでその話だけが飛び出て目立つ感じでもない。
かなり息苦しさや気が重くなるが、これが現実。ニュースで流される事が遠いことではなく、身近で起こっているかも知れない。社会の一員として、まずは関心を持っていくことが必要なのだろう。
物語は5部のタイトルの通り、多少希望が持てる形で終わっているが、現実に光はあるのだろうか。
家族のあり方はこの先変わるだろうか。
子どもが虐待されるのを防ぐ為に保護をする。それは、子育てが出来ない人がいるから。
それなら、親よりも愛情を持って育てられる人に託した方が子どもは健全に育っていく。そんな社会がSFの世界では描かれている。もしかしたらその方が今ある問題解決の近道ではと思えてしまうが、それは自然の姿に反するのだろう。
とてつもなく、難しい問題という気がしてしまう。
この物語の大きなテーマとして、何があっても死んではいけない、殺してはいけないということがあり、それは重く伝わってくる。
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