しましましっぽ

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「夜を希う」   マイクル・コリータ 

2012年11月29日 | 読書
「夜を希う」   マイクル・コリータ       創元推理文庫
 ENVY THE NIGHT           青木悦子・訳

フランク・テンプルとフランク・テンプル二世は、朝鮮とヴェトナムの戦争で英雄だった。
二世はその後、FBI捜査官になり、息子のフランク・テンプル三世に、子どもの頃から英雄になるために必要な事を教える。
しかし、二世はFBIでありながら殺し屋となり、三世が17歳の時逮捕される前に拳銃自殺をする。
二世を裏切ったのは、仲間だったフロリダのギャング、デヴィン・マティスンだった。
そのデヴィンが、ウィスコンシン州の氾濫湖(フローウィッジ)にあるキャビンに戻って来ると言う。
その場所は、マティスン家の所有する島で、デヴィンの父親、ダンと二世とエズラ・バラードが友情の証でキャビンを所有していた。
エズラはこの地に住み、ガイドをしていた。
エズラは、三世との約束で、デヴィンが来ること事を知らせる。
三世は、父親の復讐をする為に、氾濫湖に向かう。
その途中でマイアミナンバーの車を見て、運転しているのがデヴィンに見えた途端、追突事故を起こす。
乗っていた男、デイブ・オコナーは、三世に非があるのも係らず、警察を呼ぶのを拒み、不審な態度で素早くその場を立ち去る。
修理店の経営者、ノーラ・スタフォードと三世は、デイブに係るトラブルに巻き込まれて行く。






何気ない所から、静かに始まるのだが。
それでも読み始めてすぐに、面白いと感じて物語に引き込まれる。
過去の二世の事件や、進行する事件など、よく分からないことが多いのだが。
その分からなさが、興味を引き立てる。
登場人物の心情などもしっかりと書かれていて、それぞれの思いや関係がよく分かる。
物語の展開も面白いが、人物描写も。
その人達の間に流れる、それぞれの空気感がよく感じられる。
悩みながらも、強く生きている人達に好感が持てる。
舞台になる場所も、物語を盛り立てる。
日本ではなかなかないところ。
勝手に想像しているが、こんな風景もいい。

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