しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「どんどん橋、落ちた」  綾辻行人  

2005年11月01日 | 読書
中短編集。『犯人当て』になっていて、問題編と解答編で出来ている。
始めに登場者が明記され犯人はこの中にいる、と言うもの。
「どんどん橋、落ちた」
小説家、綾辻行人のもとを青年が訪ねて、『犯人当て小説』で挑戦する。
どんどん橋が落ち、誰も近付く事の出来ない場所で、キャンプに来ていた子供がころされる。密室ではなく、野外の事なので、密空間殺人とでも言おうか。
登場者の名前が、エラリイ、アガサ、ルルウなどはわかるが、日本名が分からない。
リンタローとユキト(本人も入っている。しかも殺され役で)は分かる。
伴ダイスケ、阿佐野ヨウヂ、斎戸サカエ。そして、全編を通じて、犬の名前がタケマルなのだが、これは誰?
「ぼうぼう森、燃えた」
これも、どんどん橋と同じシュチエーションで、青年が訪ねて、『犯人当て小説』で挑戦する。
今度は、野犬のボスが火事に乗じて殺される話。
名前も前作と同じで、ユキトは残酷な子供。リンタローは悩める青年。
リンタローさんはやっぱり、悩んでいるのかなー現実でも・・・。
「フェラーリは見ていた」
葛西さんの家のシンちゃんと言う猿が殺される。
犯人はその時、マージャンに来ていた4人のうちの誰かか?
「伊園家の崩壊」
伊園家を不幸が襲い、そして誰もいなくなった。
伊園が、磯野、サザエさんを模したものだと、気が付くのまでに半分くらい読んでいた。
戦後日本における「明るく平和な家族」の崩壊。悲しい。
「意外な犯人」
1994年12月25日深夜読売テレビの特番『真冬の夜のミステリー』
この特番は3人関西出身の推理作家の原案をドラマ化したもので、これはそのひとつ。
後2人は有栖川有栖さん、法月綸太郎さん。そう言えば、法月さんのは読んでいる。
意外な犯人はこのドラマを作る会議をしていて殺人が起こると言うもの。
フーダニット、「誰がやったか」だけを見つける趣向。
ちなにに、ハウダニットは「いかにしてやったのか」
   ホワイダニットは「何故やったのか」

綾辻さん読む、1冊目。
この中短編集はタイトルから言っても童話チックで、何となく可愛い。
不思議な青年の持ってくる、犯人当て小説は、綾辻さんと同じ結論になって、
同じに「そんなの有り?」って悔しがる・・・と言うか、へーそうかと感心する。
確かに間違っていないし、そんなところまで考えるんだと納得してしまう。
小説の外にもヒントがあったなんて、気が付きませんでした。ハイ。
読み終わって、最大の疑問。タケマルって、誰?どうして犬なの?
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