しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「訣別」  マイクル・コナリー 

2020年07月02日 | 読書
「訣別」  マイクル・コナリー   講談社文庫   上・下巻
 THE WRONG SIDE OF GOODBYE     古沢嘉通・訳

ボッシュはロス市警時代の旧知の知人が本部長を務めるロス北郊のサンフェルナンドの市警察に誘われ、無給の嘱託刑事として勤務するようになっていた。
一方で取り直した免許により、私立探偵として個人的な仕事を受けていた。
ある日、85歳の大富豪ホイットニー・ヴァンスから呼び出され、人捜しを依頼される。
   <文庫本上巻裏カバーより>

老い先短いことを悟った富豪には学生の頃知り合い妊娠させながらも、親に仲を裂かれたメキシコ人の恋人がいた。
その子どもが生きていれば捜してほしいと頼まれたボッシュは調査を引き受ける。
一方、同僚刑事と連続婦女暴行事件捜査を進めるなか、同一犯によると思しき暴行未遂事件が起こり、事態が急展開する。
   <文庫本下巻裏カバーより>








ハリー・ボッシュシリーズ、19作目ということだが、そんなになるのか。
日本では全部訳されていないのかな。
今回は刑事ではなく、無給で働く嘱託刑事と探偵の2役。
しかし、刑事のような仕事をしているのに、無給などという物があるのかと驚く。
何時間以上出勤してという条件があり、係る犯罪も未解決の過去のもの。
しかし、そこから現在進行形の事件との関連を見つけ、調べた事、見た事と推理から事件の真相を見抜いて行く。
推理とは見た事を的確に分析していくこと。
一方、探偵業の人探しの方も、丁寧に人の流れやその土地の在り方で少しずつ近づいて行く。
大忙しのボッシュだが、納得のいく方法で進んで行くので面白い。
そこには、ボッシュもそこにいた、ベトナム戦争のエピソードも。
しかし、辛い思いでのベトナム戦争の事は、娘のマデリンには話していない。
やはり、そんなものなのかも。
伝える時は、マデリンが聞こうとしてくれた時なのかも知れない。
大富豪の遺産の相続など、真実が分かったからと言って単純ではない事も。
ミッキー・ハラーに弁護士として助けを求める。
真っ直ぐなボッシュに比べ、ミッキーの胡散臭さがでて、そんな対比も面白い。

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