「真夜中の密室」 ジェフリー・ディーヴァー 文藝春秋
THE MIDNIGHT LOCK 池田真紀子・訳
〈ロックスミス〉と名乗る男が夜のニューヨークに跳梁していた。
男は厳重に鍵のかかった部屋に侵入し、住人に危害を加えることもなく、破った新聞紙に書いたメッセージを残して去った。
犯人はいかにして短時間で錠を破ったのか。
犯行は無差別なのか、それとも被害者を結ぶ線があるのか。
そして何より、この奇怪な犯人の真の目的?
ニューヨーク市警からの依頼で、四肢麻痺の科学捜査の天才リンカーン・ライムが捜査に乗り出した。
だがライムは警察内部の政争にまきこまれ、別件の裁判での失態を理由にニューヨーク市警との契約を解除されてしまった。
捜査を続行すれば逮捕される危険すらあるが……。
密室を破る怪人〈ロックスミス〉VS現代の名探偵リンカーン・ライム。
警察も敵に回り、犯罪組織に命を狙われながらもライムはあくまで知力で戦いに挑む。
そしていくつもの事件と謎と犯罪がより合わさったとき、多重ドンデン返しが華麗に発動する!
<単行本カバー見返し側より>
「リンカーン・ライム」シリーズ第15弾。
もう15作になるのか。
ドンデン返しの趣向は相変わらずだが、今回は特に多い。
ドンデン返しと言うより、真実にたどり着くまでが長い。
これが真実かと思ったら、それにも違う要素があって裏切られる。
まさかこれも事件に係わっていたのか、と言う驚きも。
兎に角、良く練られていて面白い。
前半はわりとゆったりしている感じ。
〈ロックスミス〉は誰だろう、鍵の話も深い、などと単純に考えていたらとんでもない事になった。
登場人物も、ライル・スペンサーなんて信用していいのかと疑問に思っていた。
後でその人物についても詳しく書かれ、物語が見える。
事件だけでなく、そんな人間ドラマも書かれている所が面白い。
ウォッチメーカーに似ていると思わせる、ロックスミス。これからも登場する事があるだろうか。
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