しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「こぼれる魂」 アレックス・カーヴァ 

2008年02月12日 | 読書
森のキャビンンに若者6人がたてこもり、交渉役のFBI捜査官を襲撃したのち集団自殺を図った。
同僚を失ったマギーは、彼らが『精神解放教団』というカルト教の信者だったことを突き止める。
数日後、教団の祈祷集会が開かれた公園で女性が惨殺された。
信者が崇めるエヴィリットという男を調べるうち、明るみに出た事実―
彼こそマギーの母をアルコール依存症から救い、今は母と行動を共にする人物だった。
      <裏表紙のあらすじから>

マギー・オデールシリーズ、第3弾

 
カルト教団がテーマになっている本を続けて読んでいるが、これは偶然。
しかし、世の中に宗教はあふれ、その中にはカルトとなるものが多数含まれるからこそ題材になるということか。
傍から見ると、何故そんなにもはまってしまうのかと思うが、読んでいて思うのは教祖が魅力的とかいうより、
何かを信じたい、拠りどころにしたいという人間の気持ちなんだ、と思う。
それだけ、現代は生きていくのが大変なのだ。
しかし、この教祖はかなり始めからインチキ臭かった。
こんなのに引っ掛かったら駄目だよ。そこまで走らせる魅力は感じなかったけれど。
最後にひと捻りあり。
事件と同じ位、登場人物たちの人間関係が面白い物語。
マギーと母親、キャスリーンの関係は修羅場になってしまうけれど、捜査官タリーと娘のエマや別れた妻との関係は、結構微笑ましく思えたりする。
そう、R・J・タリーの存在がこの物語を面白くしている気がする。
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