しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「花と流れ星」   道尾秀介 

2012年01月25日 | 読書
「花と流れ星」   道尾秀介     幻冬舎

5編からなる連作短編集

「流れ星のつくり方」
温泉地で、一人の少年と出会った北見凛。
少年は流れ星のつくり方を教えてくれた後に、ある問を出す。
友人の両親が殺され、その犯人がどうやって逃げたのか、だった。

「モルグ街の奇術」
真備が行きつけの小さなバーで、真備と道尾は一人のマジシャンと出会う。
マジシャンは、『消える百円玉』の種と同じトリックが使われたミステリーの謎解き勝負を仕掛けてくる。
それは、そのマジシャンの右手が消えた謎だった。

「オディ&デコ」
『真備霊源探究所』に小学4年の莉子が相談に来る。
殺してしまった仔猫が自分に取り憑いているのだと言う。
友人と二人で見つけた捨て仔猫を、莉子が連れて帰るが、母親に反対されゴミ置き場にまた捨ててしまう。
雪が降った朝、そのゴミ置き場を携帯で撮ると、そこには猫の幽霊が映っていた。

「箱の中の隼」
宗教法人ラー・ホルアクティに見学に来てくれと誘われていた真備。
迎えに来た、野枝ひかりに道尾を代わりに行かせる。
そこは真っ白な世界で、ヘムと呼ばれる代表は野枝あかりの父親だという。

「花と氷」
自分の不注意で孫を死なせてしまった薪岡老人。
『真備霊現象探究所』に、孫に謝りたいと泣き崩れた。
3日後、公園で子どもたちを相手にする様子を凛は見かける。
老人は、『お楽しみ会』を計画していた。







『真備霊現象探究所』の真備庄介、その助手北見凛、真備の友人、ホラー作家・道尾。
他にこの3人の物語があるようだが、始めに読んだのがこの短編。
それまでのことがチョコチョコと話題に出る。
心理面に影響しているようで、その辺りは理解不足で損をしている感じだが、この物語に支障はない。
この短編集は、哀しいことや辛いこともあるが、どちらかと言うとファンタジーな雰囲気がある切ない物語。
それは、3人が抱えている問題ということもあるのだろうか。
悲しみや痛みを抱えた人たちの物語。
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