しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「穢れた風」 ネレ・ノイハウス

2018年05月17日 | 読書
「穢れた風」 ネレ・ノイハウス  創元推理文庫   
 WER WIND SAT       酒寄進一・訳

風力発電施設建設会社のビルの中で、夜警の死体が発見された。
一見、階段を踏み外したための事故死に思われたが、監視カメラに侵入者が写っていたことで、にわかに殺人の様相を呈する。
奇妙なことに、社長室のデスクの上になぜかハムスターの死骸が残されていた。
これは一体何を意味しているのか?
風力発電の利権をめぐって次々に容疑者が浮かびあがり、さらに第二の殺人が。
再生可能エネルギーにかかわる国家的犯罪なのか?
人々の欲望と、巨大な陰謀に呑み込まれる刑事オリヴァーとピア。
     <文庫本1ページ目より>








風力発電建設をめぐる事件。
原発から自然エネルギーへと言う事で、歓迎されているのかと思ったら反対だった。
あの風車のある風景は自分は好きだが。
そうではないと思う人もいる。
それはそうだ。
ただ通りすがりに見るのと、それが住んでいる近くにあるのとは全然違うだろう。
そして、地球温暖化もまやかしだと言う。
すべては金儲けの為に動いているのだと。
そういう考えもあるのだと、気が付かされた。
そして、そう言う事も確かにあるのだろう。

物語はもっと複雑で、人間のドロドロした部分が現れる。
心を病んでいる人の多い現代の、人間関係の難しさもある。
オリヴァーとピアのコンビは、今回はピアが大活躍。
と言うか、オリヴァーは今回は精神的に参っていてグタグタ。
父親のハインリヒの方は、ショックな事はあっても結構しっかりしているのに。
ピアがその様子を見守る細やかさが、何だか良い。

騙し騙され、人間って難しい。
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