しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「ファラオの密室」 白川尚史

2024年09月07日 | 読書
「ファラオの密室」 白川尚史  宝島社   
紀元前1300年代後半、古代エジプト。
死んでミイラにされた神官のセティは、心臓に欠けがあるため冥界の審判を受けることができない。
 欠けた心臓を取り戻すために地上に舞い戻ったが、期限は3日。
セティは、自分が死んだ事件の捜査を進めるなかで、やがてもうひとつの大きな謎に直面する。
 棺に収められた先王のミイラが、密室状態であるピラミッドの玄室から消失したというのだ。
これは、唯一神アテン以外の信仰を禁じた先王が葬儀を否定したことを物語るのか?
タイムリミットが刻々と迫るなか、セティはミイラ消失事件の真相に挑む!
       <単行本カバー見返し側より>






良く知らない、古代エジプトの信仰や生活。
死者が蘇っても、それほど驚くことのない信仰。
それが、王の一存で壊れてしまうと言う、独裁制の怖さ。
奴隷にされたカリの物語。
社会の様子を知り、色々と考えさせられる要素も沢山がたくさん。
そして謎もいくつか。
セティの死の真相と欠けた心臓の行方、消えて別の場所に現れた王のミイラの謎、そしてカリの石運びが遅くなる事。
どれもちゃんと解明され、それぞれにドラマがあった。
しかし、王のミイラが消えるトリックは上手くいくのだろうかと、少々難しい感じもするが。
まあ、これが上手く行かなければ、その後の展開にも影響があるから仕方ないけれど。
カリの石を運ぶ事がいつも遅くなると言う謎はなるほどと、とても納得。
特に何もない砂の地を進んで行くのだから、ありうる。
そして、最後にカリにもハッピーエンドが待っていて、良かった。
セティも死なないで、上手く行ったらよかったのにと思わずにはいられない。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「悪い男」 アーナルデュル... | トップ | 「時間封鎖」  ロバート・... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

読書」カテゴリの最新記事