「悪い男」 アーナルデュル・インドリダソン 東京創元社
MYRKA 柳沢由美子・訳
レイキャヴィクのアパートで喉を切られて殺害された男の死体が発見される。
このアパートに住民で、電気通信会社の技師ルノルフル、30歳。
10年ほど前にレイキャヴィクに移り住んでいた。
ルノルフルがレイプドラックと言われる、ロヒプノールを持っていた事から、レイプ被害者による復讐が考えられた。
部屋のベッドの下から1枚のスカーフが見つかり、独特の匂いがすると鑑識官が言う。
エリンボルクはその匂いがタンドーリ・チキン香辛料の匂いだと気が付く。
「犯罪捜査官エーレンデュル」シリーズ7弾。
エーレンデュルが旅に出掛けたきり戻っていない中、エリンボルクが捜査にあたる事件。
エリンボルクは、ルノルフルの母親に会いにホルタヴルドヘーデンに行ったり、認知症と思われる老女の目撃情報を聞きに行ったり、ダンドリー・チキンの香辛料を扱う店を訪ねたり。
1人で孤軍奮戦。
そして文字通り、エリンボルクの鼻が利いて、事件解決へと導く。
少しずつ、分かって来る事から、事件の真相に近づいていくのだが、取り調べはあまり上手くないような。
と言うか、もっと丁寧に調べてから話を聞けばいいのにと思ってしまう。
ルノルフルの評判が良かったり、友達だと言うエドヴァルドが何となく胡散臭いから、もっと色々とあるかとおもったが、意外となにもなく、素直な事件だった。
悪い男は、本当に悪い男。そして報いを受ける。
事件の他に、今回の主役エリンボルクのプライベートや考えが分かる物語。
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