散歩絵 : spazierbilder

記憶箱の中身

ドクメンタ 12

2007-06-14 19:19:28 | 美術関係

Schneeflocke
または
White Flower Carpet



ドクメンタ12が間もなく始まる。
今回のディレクターには随分批判も多かったようだ。Roger BuergelとRuth Noack(Buergel夫人) は『テクスト解説で作品を壊すような事をしたくは無い。美術作品自体を信用している』と語っている。前2回のドクメンタが特にコンセプト、セオリーで固めた研究室的展開だったので、このコントラストは大きいかもしれない。
今回はいつものように最新の現代美術を並べるだけではなく、古典も現代美術(?)であるという事で、14世紀の絵画、ペルシャのミニチュアールも並ぶという。
美術を見つめなおすという趣向か?
目玉商品というものが無いため、端から鳴り物入りなしのプログラムを、埃を被って忘れられた、意味の無いもの、つまらないものと決めての批評も多いようだ。

緑のオアシスたる温室を設置し、鑑賞者たちが憩い集う場所を儲けたということである。
確かに大きな展覧会に行くと仕舞に走りまわってくたびれ果てて鑑賞能力が著しく低下するので、いいかもしれない
時には緑で目を休め、リフレッシュして鑑賞を続けて欲しいという意向である。
(。。。しかし、思えば展覧会場の回りも緑水水しい芝生があって、外の空気を楽しめるのであった。天気さえ良ければリフレッシュは外に出たほうが確実だよね。)

最近では展覧会の大きな企画がイヴェント化し、鑑賞競技となっているようだ。
消費者(鑑賞者)たちは走っている。走らされている。そんな中でこのドクメンタのあり方はある意味で勇敢な行為かもしれない。
この夫妻は2年ほど前にウィーンから開催地を知るためにカッセルに引越し、地元でも根回しを始めたと言うことだから力が入っているに違いない。
彼らは大きな美術展の企画をしたこともなければ美術館を仕切ったことも無く、言ってみれば未経験だという事、だからこそできることもあるだろう。
彼らなりの挑戦はそんな事をふまえて見たら面白いだろうか?

そういえば、中国人アーティストAi Weiweiは中国から1001人の中国人をカッセルに招待するというプロジェクトを披露するのだそうだ。1001人は別に何をするというわけでもない、ドクメンタを見る、経験するという事が1001人の使命らしい。(1001人の中国人がカッセルに突然出現するというイメージは中々迫力かもしれないが、今ひとつ釈然としない所がある。まあ、こんな大プロジェクトが動くという事自体がこのアーティストの力量を示すといえるか。。。)
ただ、中国から外に出る、ヴィザを取得する事は中々簡単にいかない筈だから、それを中国政府が案外スムーズに出した所に驚きがある。
ちなみにこの”作品”はドクメンタ12で最高額(費用)作品で19ミリオンユーロだそうだ。凄いね。

兎に角最新気鋭の現代作家の作品を見ようと思っていたら、肩透かしを食らうという事なので、お出でになる皆様転ばぬようにお気をつけ下さい。



さて、美術を鑑賞するという意味とは一体なんだろう?



ドクメンタ参加作家名

作品の一部紹介

これも。。