一花一葉  NewTraditonal IKEBANA 

徒然なるままに・・季節の植物に 心を遊ばせて

1408- うろこ雲

2014-08-31 | 生け花
  夏の間、真っ白な力強い入道雲や 台風崩れの黒い雲に占領されていた空にも やっと秋らしい うろこ雲、真綿を引いた様な 筋雲が姿を現し始めました。
 今日で、八月も終わり 秋を待ちわびる心と 少しの寂しさ・・・。どう、抗っても自然の中で生かされていることを痛感します。

 花材 ・雲竜やなぎ ・ほととぎす ・秋紫陽花 ・レザーファン
 花器 ・クリスタルガラス 花器 









1408- なつめと酔芙蓉

2014-08-29 | 生け花
 庭のなつめの実が、黄色味を帯びて晩夏の空を彩っています。
なつめは、中国や西アジア原産の落葉樹で 奈良時代には我が国にも渡来してきた様です。
 朝は、純白だった酔芙蓉の花が 昼近くになると薄紅色に染まってきました。かなりの葉をカットして、実を目立たせた なつめの枝と 酔芙蓉の花を堆朱の花瓶に生けてみました。小さな作品ですが、眺めていると 北京の旧城内に今も残る 胡同(フートン・・路地)を渡ってくる 風に乗って何処からか 胡弓の音が聞こえて来そう・・・。
 酔芙蓉はやがて、紅色を濃くして夕刻には その命を終わってしまいますが 今暫くは、私の空想に付き合ってくれそうです。

 花材 ・なつめ ・酔芙蓉 
 花器 ・堆朱の花瓶









1408- 行く 夏

2014-08-27 | 生け花
 街へ出かけた時、コーヒーの美味しそうな店を見つけると 良く入ることがあります。神戸のコーヒーは平均的に美味しいのですが・・・。
店に入った時、席が道路に面していると 楽しい気分になります。街行く人の、定点観測が出来るからです。少々、趣味が悪いかなと 思いながらもコーヒー・ブレイクの時間は長くなります。そろそろ、人々の服装も 暑さ対策だけでなく 秋めいてオシャレ心が 蘇ってきたのかな。

 夏の日々には、きっちり束ねていた美しい髪を 解き きれいに日焼けした肩に揺らしながら 颯爽と歩いて行きます。ブテックのショウ・ウインドウのディスプレイも シックな 秋の装いになりました。

 花材 ・ひまわり ・アンスリウム ・ソリダコ ・クルクマ ・ピンクッション ・ミスキャンサス
 花器 ・クリスタルグラス ・茶色ボヘミアン・グラス



1408- ヒグラシ 蝉

2014-08-25 | 生け花
  激しい雨が続いた日々の後、青空が見えた空には 賑やかだった油蝉や ワシワシ蝉の鳴き声が静まり ひときわ鮮やかに つくつくほうしが鳴き始めました。子供の頃は、この声を聴くと夏休みの残り日数と やり残した宿題の量が頭をかすめたものです。そんな事が、遠い昔となった今 あと少しで秋の訪れだと ほっとする気持ちで一杯です。
 決まった時期に、現れて音符通りの様に鳴く つくつくほうしって几帳面な蝉ですね。その端正な、抑揚を聴きながら この暑かった夏の日々を思い出しています。

 花材 ・とくさ ・くるくま ・リンドウ ・ミスキャンサス 
 花器 ・民芸蔓かご







1408- 紀州の熟れっ娘 みかん

2014-08-23 | 生け花
 サマープレゼントのみかんが和歌山の知人から送られてきました。その名も「 熟れっ娘 」。粒ぞろいのみかんは、とてもジューシーで甘み、酸味も程よく 冷やして頂くと最高です。
 数十年前の夏、東京から関西へ旅行した際 ( 当時まだ新幹線は、ありませんでした ) 窓の開く列車で 静岡辺りの駅に停車した時、独特の掛け声のホームの売り子さんから 冷凍ミカンを求めた事がありました。カチカチに凍らせたミカンは、暫く溶かして食べるのですが ミカンの風味などなく、でも冷たく ただ甘かったのを思い出します。
 真夏のこの時期に、冬が旬の温州ミカンを しかもこんなに美味なものを頂けるなんて驚きです。農業の進歩は目覚しいもので 有りがたく残暑のビタミン補給にさせて頂きます。

 花材 ・椿の実 ・玉しだ ・お多福南天 ・ミスキャンサス ・ミカン
 花器 ・ガラス器 ・銀色お盆