一花一葉  NewTraditonal IKEBANA 

徒然なるままに・・季節の植物に 心を遊ばせて

1602- 啓蟄の頃

2016-02-26 | 生け花
 寒暖を繰り返す この二三日ですが 地中の虫も冬眠から覚め活動を始める 啓蟄の頃が 近くなりました。
この時期の風物詩として、岡山後楽園の樹木に巻かれた 害虫対策のこもを 取り去る作業が行われている様子をテレビが報じていました。
 秋に虫達は、木の枝から地上に降りて 冬ごもりをしようとした時 木の幹に温かい藁が巻かれていて 思わずその中で越冬していたのでしょう。
 突然のアクシデントで、春を待たずに命を絶えてしまったのですね。人間にも、この様な予想外の 落とし穴はあります。

 後楽園の庭を背景に、こもを燃やす煙が立ち登る風景を 写真に収めるカメラマン達のシャツターの音は 春への前奏曲 ?、それとも虫達への鎮魂歌でしょうか。

 花材 ・芽出し石化やなぎ ・つばき(大山紅)
 花器 ・壺屋焼 抱瓶

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1602- 川尻屋の青藍堂

2016-02-24 | 生け花
 17歳で石川県展、22歳で日展初入選 を果たした陶芸家 長谷川紀代さんの才能と陶歴は 他の追従を許さないと言えるでしょう。
加賀の御用窯 若杉窯 川尻屋七兵衛の末裔として 小松に生を受けた長谷川さんにとって 一時期途絶えた若杉窯を再興することを 大きな目標として60年間陶芸に励まれた様です。
 30年前、お目にかかってから今日まで いつも変わらぬ優しさで 接して下さった彼女から 明治6年三代目 川尻喜兵衛(彼女の曾祖父)さんが 神戸・元町3丁目に九谷焼貿易の先駆者として「青藍堂」と言うお店を開き 作陶と貿易業を営なまれたと聞きました。

 長谷川さんが、神戸で初個展を開くにあたって この青藍堂を特定したくなり 神戸文書館や神戸博物館に 足を運んだ結果「湊の魁」と言う元町商店街の様子を描いた書物の中に 元町3丁目「九谷焼売捌所 北義衛門」という看板を掲げた店があったのを確認しました。
 更に、北義衛門をネットで調べた処 加賀藩の鉄砲奉行に属していた人物の様です。ここで、北義衛門と青藍堂がどう言う関係だったか解りませんが 公の資料で調べた限り 青藍堂の名前は 何処にも見つかりません。
 このことは、若杉窯が何か不幸な出来事で 途絶えたことに関係があるのではと想像しています。

 文政7年(1818)、加賀藩の命により金沢から初代川尻屋七兵衛が 小松若杉窯に来て以来 脈々と続く六代目長谷川紀代さんは 今年喜寿、七代目・八代目も作陶に励んでいるとの事。歴史の謎は、解けない事も人々にロマンを感じさせます。

 個展二日目に、青藍堂跡と思われる 元町三丁目の老舗の放香堂(お茶屋さん)の辺りへ ご案内しました。
小松の長谷川さんの家には、当時 元町三丁目に掲げられていた青藍堂の看板が現存しているそうです。

 花材 ・紅梅 ・おたふく南天
 花器 ・手箱(金箔貼り)



 陶額 長谷川紀代作


 資料「湊の魁」神戸市立博物館所蔵 より


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1602- 美食と九谷の器の競演

2016-02-20 | 生け花
 長谷川紀代さんの、九谷焼の食器と和食の競演がポートピアホテル・神戸たむらの主力イベントとして開かれています。

五彩の鮮やかな食器に、盛りつけられた料理は 芸術と言っても言い過ぎではないでしょう。
 厳選された、食材によって作られた料理の数々にお客さんは 大満足の様子です。
夕暮れ時の美しい窓からの景色が、やがて夜景に変わる頃、加賀の美酒と 作家さんの楽しい九谷焼の話に 食卓の皆もすっかり打ち解けて至福の時間を 過ごしました。

 花材 ・桃の花 ・梅の花 ・ストック ・デルフィニューム
 花器 ・俵形花瓶







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1602- 九谷焼・五彩に生きる人

2016-02-18 | 生け花
  神戸ポートピア・ギャラリーにおいて、九谷焼作家 長谷川紀代さんの喜寿記念展が 始まりました。
陶歴60年を鑑賞できる、作品の数々に 私の生け花を添えることが出来 この上ない幸せです。

 歴史の重みを感じさせる作品は、彼女の生き方そのもので その豊かさ、力強さ、奔放さ、明るさ、端正美の力を借りて 気持ちよく生けることが出来ました。
花材は、彼女のお好みの椿を中心に 早春を謳歌する花々を選びました。











































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1602- 春一番

2016-02-15 | 生け花
 夜来の大雨に 見舞われた翌日の日曜日。日本中に 春一番が訪れました。
空模様も落ち着かない一日で、季節が入れ替わるために必要なステップなのでしょう。
 情緒のある名前を付けられた、強風が各地に被害を もたらした様です。

春も、もう目の前です。

 花材 ・こうりやなぎ ・ツバキ
 花器 ・ガラス器

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