冬のうす陽の中で、小鳥たちが ラブリーな鳴き声で 飛び交っています。
突然、その和やかな空気を引き裂く モズの鋭い声と姿 小鳥たちは声を潜め身をすくめている様子。
やがてモズは冬空へ飛び去って行きました。又変わらぬ、小鳥たちのさえずりと姿が戻ってきました。
一日に何度もこの様子を繰り返しながら初冬の日は過ぎて行きます。
花材 ・赤みずき ・バラ ・椿
花器 ・琉球ガラス 掛け花器
久しぶりの神戸の街は、待ちかねた様に クリスマスのイルミネーションで彩られています。
花屋さんも、クリスマスの花一色で 埋まっています。
花材 ・バラ ・ヒペリカム ・ブルーアイス
花器 ・赤色ガラス花器
諸事情で茶道から遠のいて20数年、いつの日か 又あの空間へ身を置く日があるのを 願っていましたが やっとその夢が叶いました。
昨年、私の神戸での個展の数行のお知らせを 朝日新聞の紙面で見つけ 見に下さったのが御縁でした。
お茶の雰囲気を纏った、そして明るい先生のことが私の第六感に響いて その時に良い出会いを感じました。
初めてのお稽古は、忘れていること、体が覚えていたこと、久しぶりに緊張と楽しさの連続でした。
私の、「終わらせたくない 夢」の一つを ゆっくり続けて行きたいと思いました。
花材 ・金柑 ・小菊 ・びなんかずら
花器 ・青磁 掛け花器
秋の数々の行事も終わり、うらうらとした温かい日々を過ごしたと思ったら 急に寒波が全国を襲ってきました。
師走までに、少し日々を残した 11月の下旬 冬の到来への覚悟も出来て 静かな初冬の日々を過ごします。
一年を通して 一番心が休まる短い期間です。
花材 ・椿 ・イタヤカエデ
花器 ・唐津焼 掛け花花器
野菜産直の店頭に、日本無花果 が並んでいました。大きな口を開けて笑っているようです。
私たち夫婦が、東京から岡山へ転居したころ(40年くらい前?) 無花果は東京の果物屋さんや八百屋さんの店頭で売られることはほとんどありませんでした。
その様な日々、折り込み広告に「無花果狩り農園」と言うのを見つけ 東京の実家の父を思い出しました。
連絡を入れると、観光旅行を兼ねて 妹と二人でやってきて 早速、県北の農園に案内しました。父の喜ぶ顔を期待していた私は、農園の無花果を見るなり「この無花果は美味くない」との言葉に ガクゼン !
私の眼には、大きな木に鈴なりの赤みを帯びた実は とても美味しそうに見えたのに・・。それは輸入種の西洋無花果だつたらしく昔、父が庭に植えてこよなく愛して食べていた日本無花果に比べ 果実の食感や懐かしい香りとは別物だったのです。
日本無花果の、上品な色や味 香りに会うこの季節 この時のことを思い出します。
それでも、平らな箱に並んだ西洋無花果を二箱 お土産に求めて随行の妹に水平に保って持たせ 新幹線で悠々と帰っていきました。
お酒をあまり飲まなかった父にとって、世の中の美味しいいろいろな果物は とても大切な物だったようです。
花材 ・南天 ・柏葉アジサイ ・ユリ 二種
花器 ・砥部焼 青白磁壺