西の方から 梅雨の走りの様な前線が近づいてきました。
3年前に買った 小さな鉢植えの河原なでしこが 大きな鉢に植替えたところ 根を張って今年は見事に咲き揃いました。
五月雨の中で 花の群れの辺りだけが明るく感じられます。
繊細で優しく強い この花を見ていると「大和なでしこ」と言う言葉が思い浮かびましたが 今では死語に近いのでしょうか。
花材 ・河原なでしこ ・糸すすき ・鳴子らん
花器 ・九谷焼 花瓶
西の方から 梅雨の走りの様な前線が近づいてきました。
3年前に買った 小さな鉢植えの河原なでしこが 大きな鉢に植替えたところ 根を張って今年は見事に咲き揃いました。
五月雨の中で 花の群れの辺りだけが明るく感じられます。
繊細で優しく強い この花を見ていると「大和なでしこ」と言う言葉が思い浮かびましたが 今では死語に近いのでしょうか。
花材 ・河原なでしこ ・糸すすき ・鳴子らん
花器 ・九谷焼 花瓶
未だ5月なのに全国のあちこちで 真夏日を記録しています。
長期予報では この夏もかなりの猛暑のようです。
静かに耐えるしかありません、せめて人の言動に爽やかさを期待したい。
花材 ・ガーベラ ・ひまわり ・カスミソウ
花器 ・ガラス オブジェ(スェーデン製)
春の終わりは牡丹・薔薇・藤の花など 春の初めの頃の可憐な優し気な花に比べて その華麗さを競うような艶やかな花々が咲き揃います。
その中で芍薬は 楚々とした控えめさが 返って目につきます。
つつましやかな 和装の女性の 涼やかな単衣の姿の様で心和みます。
花材 ・芍薬 ・姫びょうぶ ・カスミソウ
花器 ・輪島塗 脚付き花器
お天気の急変が激しいこの頃です。
春の嵐のような一日でしたが 夕方には海上に見えていた、かなりの白波も収まり 雨も止んで久しぶりに大きな虹が 南の空を彩りました。
翌朝には、青い空そして それを映す青い海の五月晴れです。
細長い我が家のベランダの花や木も 昨日の 風雨に 悩んでいたことを忘れたかのように輝いています。
花材 ・オリエンタルリリー ・ひまわり ・鳴子ラン ・姫ビョウブ
花器 ・ムラーノ ガラス器
母の日には フラワーシヨップの色とりどりのカーネーションが 人々の足を止めています。
母の日には沢山の母との思い出が湧いてきますが、 父の日には申し訳ないがそれほどでもないのは何故でしょうか。
明治後期、長崎で生を受けた母は 一族の慣習に従って 生後直ぐに被爆マリア像で有名な カトリック浦上教会で洗礼を受け「マリア・キク」のクリスチャン・ネームを拝しました。どの様ないきさつで、仏教徒の父との結婚があったのかは定かではしませんが カトリック信者として一生を過ごしました。
晩年 未だ父が存命だった頃、母は「私は手を合わせて祈るとき心にはマリア様しか浮かびません」と言って 父も承知の上で東京カテドラル・マリア大聖堂の地下墓地に自分の墓所を決めました、「そしてあちらでは、どの宗教であれ行きつく 天上は一つですから」と笑って言いました。
とても明るく お茶目なところもあり、ある時 牧師さんを囲む和やかな茶話会の中で 牧師様に「心ときめく様な 麗しい女性に出会った時、どうなさるのですか」と質問したそうです。私たち兄弟は 母のその唐突な質問に どの様な返事が返ってくるのかと興味津々でしたが「ただ 一心に神に祈りを捧げます」と答えられたそうです。やはり凡人にはとっさには出来ない返事だと感心しました。
明治生まれの両親は 大きな夢を持って大陸に渡り、一代でかなりの事業を成し遂げた人ですが 4人の子供と戦後 引揚げの際には妹を妊娠した状態で 天地がひっくり返る様な生活の中で 逞しく生き延びて来たのです。根底には母の強い信仰心があったのでしょう。母の話の中に「ありがたいね」と言う言葉を良く聞きました。
父の亡き後は 教会の奉仕に専念し、亡くなった際も沢山の信者の讃美歌や祈りの中で棺を送る事が出来ました。鳴り響く教会の鐘の中 黒繻子の棺の上の純白の百合の花に、散り始めた桜の花びらが舞って 明るく強く 自身の信念に生きた母の一生を心に深く刻む瞬間でした。
最近 昔の母を知る古い友人に会うと 「年を取ってからのお母さんに似てきたね」と言われます。母の様に華麗でダイナミックに、そして心優しくは生きてこられなかった私ですが 女性の鑑と思ってきたことは確かです。
若く美しい頃の母の 遺影に向かって心からありがとうと 言いましょう。
花材 ・カラー ・金波こでまり ・雲竜やなぎ ・アリアム
花器 ・アンティーク・ムラーノ ガラス花器
若いころの母が愛用した刺繍の帯
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