中国製のライカコピー「紅旗」は、四人組の江青が指揮し文革時代に271台しか生産されなかったカメラで、中国製ライカコピーの最高傑作と断言出来るカメラだ。ただ、このカメラの製造に関わった人もすでにいないので、資料らしい物も存在せず謎の多いカメラなのだ。このカメラを実際に見た事がある人はかなり少数なのと、実際に手に取ってシャッターを切った事のある人はさらに少数だと思ってよい。
著者は陸田三郎氏
日本語と中国語の対訳で台湾で出版
私は幸いな事に、前世紀に高輪のMACカメラで一度手にした事があり、2012年には上海の友人のカメラ屋で50mmと90mmをGXR A12マウントに付けて試写させてもらった事がある。その描写は、まさにライカズミルックス50mmとズミクロン90mm描写にそっくりだった。その時のブログ、コレとコレとコレとコレ。
この本の中に面白いエピソードがあるので抜粋「ニクソン大統領訪中を記録するために、江青は中国人カメラマンに紅旗を使うよう指示したが、そのカメラが信用出来ないので紅旗を首にかけるも誰ひとりとして使わず皆ライカで撮影した」とある。これはプロカメラマンとして、とてもプロ意識の高い行動と言えるし深く納得。
この本は、陸田三郎氏が台湾で出版し日本語と中国語の対訳となっているが、大陸でもまだ販売されてない。この本で私が知らなかった事など多くの謎がとけた。
★このカメラの実物を見たい人は、上海老相機製造博物館(上海市重慶南路308号1階) で見る事が出来るよ。