コロナ日記 「時間つぶしはゲームが最強」編

2020年05月15日 | 日記

 「ゲーム好きは、たしかにこの状況には強いかもしれへんねえ」。

 テレビ電話越しに、そんなことを言ったのは友人トネヤマ君であった。

 昨今、コロナの影響で外出が制限されており、家での過ごし方は人それぞれであるがトネヤマ君は、

 「オレはゲーム好きやからなあ。まあ、家出るなと言われても、そんなに困ることはないかもね」。

 『将棋世界』で連載を持っていたこともある編集者の山岸浩史さんは、かつて、

 「牢の中でネット将棋が指し放題なら、終身刑を宣告されてもかまわない」

 という名言(?)を残し、将棋関係者をあきれ……感動させたものだが、そういやトネヤマ君も昔、

 「24時間ゲームだけして、他のことせんと過ごせるんやったら、家から一生出られへん、死ぬまで誰とも会われへんって言われても平気やな」

 山岸さんと、ほとんど同じことを言っているわけで、デジタル・アナログ問わず、「ゲーム」というのはそれだけ人を惹きつけるのだろう。

 私自身、今ではほとんどやらないが周囲にゲーマーは多く、なかなかの「インシテミル」ぶり。

 友人ジョウナン君はRPGが好きすぎて『クロノ・トリガー』『グランディア』『ヴァルキリープロファイル』といったお気に入りのゲームを、ふつうにクリアするだけは物足りず、

 「主人公だけ操作してクリア」

 「魔法なしでクリア」

 など「縛りプレイ」をやりつくし、ついにはネタ切れになり、「目をつぶりながらクリア」などという神業に挑戦してた。

 友人ハタ君は一時期オンラインゲームに、ずっぱまりしたことが。

 『ウルティマオンライン』が楽しすぎて盆休みの一週間、近所のコンビニに食料を買いに行く以外ずーっと、それこそ寝るのもその姿勢だから、1日23時間半パソコンの前にすわっていたら、休みの最終日に鏡を見て卒倒しそうになったそう。

 その様は本人いわく「生ける屍」「遭難13日目」「クトゥルフ神話に出てくる邪神を見て発狂した人」というもので、どんだけやってたんや、と。

 そんな彼も、一歩外へ出れば結構優秀な技術者なんだから、人生とはわからんもんです。「ゲームはよくない」という大人はいまだに多いけど、まあみんな、そこそこ普通の社会人になってますよ。

 そんな話を、別口で後輩アサヒガオカ君にしてみると、

 「わかりますわあ。自分も、就職するまでは平日学校帰りに6時間、土日は11時間ゲームやってたッス」

 すごいもんだと言いたいけれど、まあゲームジャンキーでなくとも『ダービースタリオン』とかなら、ずーっとやってる人とかいたね。

 「自分、だいぶ前っスけど先輩からケン・グリムウッドの『リプレイ』って小説、借りたやないですか?」

 はいはい。主人公が人生を何回もやり直せるっていう「リプレイもの」の元祖になった大傑作ね。

 「あれ、メッチャおもろかったんスけど、やっぱ考えてまいますよね。自分やったら、どうするやろう、て」

 考えるねえ。あの本でも、人生やり直せてラッキーやけど、よかれと思ったことが裏目に出たり、子供とか慈しんだ存在がリセットされる切なさがあるんよね。

 「あれは泣くッス。で、自分ならどうするか真剣に考えて出た結論がですね」

 はいはい。気になるね。

 「わかりやすく5回《リプレイ》できるとしたら、3回目くらいの人生は、丸々『ポケモン』に使い切りますね」。

 そっかー、ポケモンはハマるらしいもんねえ……て、主人公が30年くらいゲームばっかやってる『リプレイ』じゃあ感動できないって!

 

 

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