ありがとうサタディ・バチョンで思い出は全部語る映画とともにロシアの『フライト・クルー』 その2

2025年01月06日 | 映画

 前回の続き。

 深夜ラジオで、年始に見たロシア映画の『フライト・クルーについて、アシスタントのアコちゃんに熱く語るシャロ村ジュン先生。

 人命救助に飛び立ったエリートパイロットのアレクセイだったのですが、洪水のように流れる灼熱の溶岩に道をふさがれ立往生。

 このまま、なにもできずに終わるのか。

 しかしそこに、かすかな希望の光が……。

 

 

 

絶望にくずれ落ちそうになるところ、どこからか声が聞こえてきた、
 

 


 「アホ、ここであきらめてどないすんねん、天才パイロット!」



 

 「え?」と振り向くと、そこにはCAのアンドレイの姿が。


 


 「アンドレイ、おまえここで、なにしてるんや!」

 「なにって、救助活動に決まってるやないか」

 「でも、おまえの仕事は……」



 

 そこでアンドレイはニヤッと白い歯を見せて、

 

 


 「オレもおまえも、仕事は同じ。乗客の命を守ることやないか」



 

 そう言うと、なんとアンドレイはシャツを脱ぎすて、やおら溶岩の海に飛びこむ

 なんてことをするんや! 死ぬ気か! 

 思わずさけぶアレクセイやが、しばらくするとアンドレイは向こう岸から疲れ切った人々を、大量に乗せた輸送車を運転して帰ってくる。

 

 

すごい、カッコイイやん。


 

 

そこにおる全員が「よっしゃ!」とガッツポーズを決める。

 

 


 「大丈夫、全員無事や!」

 「それはええけど、アンドレイ、おまえは平気なんか?」



 

 そこでアンドレイは鼻をこすると、


 


 「ああ、実はオレ、昔は素潜りのオリンピック選手やったんや」

 「ポセイドン号みたいな奇蹟やな。でも、熱くないんか?」

 「なーに、コーヒーを煎れるんで、なれてるんや」



 

 それを聞いて、思わず笑いあう二人。男の友情が生まれた瞬間です。

 だがしかし、その熱い場面は轟音によってかき消される。
 
 がけ崩れが起こって、巨大なが2人の上に転がってくる。

 危ない! 間一髪でよけたが、一難去ってまた一難。そこに、狂ったライオンのような吠え声が響き渡るんや。

 

 

えー。もうやめたげてー。

 

 

なんや、なんなんや! パニックになりそうな中、くずれた山肌を見上げると、なんとそこには巨大怪獣が!

 体長1キロメートルはあろうかという、でっかいでっかいアザラシの怪獣マグマラーがはい出てくる。


 


 「こいつや、こいつが噴火の原因やったんや!」

 「なんてことや、この科学島は旧ソ連極秘施設やったが、まさかこんなもんを開発してたとは……」



 

 さすがの勇気ある2人も、これにはどうしようもない。絶体絶命かと思われたとき、なんと空から1機の航空機が飛んでくる。

 あれはなんや! アレクセイが空を見上げる。ジェンチェンコさんの飛行機や! アンドレイが応える。

 そこに無線が入る。声の主は、もちろんジェンチェンコや。
 

 「ワシや。これから当機は怪獣に特攻をかける!」
 

 なんやて! そんな無茶な。そんなことをしたら、アンタも死んでまうんやで!

 

いやー、そんなんイヤやわー。

 

 

 

しばらく間があったあと、
 

 


 「ええんや。こんな事故を起こしていしまったのも、元はと言えばワシらの責任や」



 

 ジェンチェンコによると、冷戦時代、彼もまたこの科学島で働いていたスタッフだった。

 そして、西側諸国への軍事的対抗策として、この悪魔のような怪獣を開発していたと。

 

 


 「まさか、コイツがまだ生きとったとは……。この責任は、ワシらの世代が清算せなアカンのや。若いおまえらは生きろ。そして、新しい平和なロシアを作っていくんや」

 「機長!」

 「あとはまかせた。死ね、怪獣!」



 

 ドカーン! ボーンドーン

 機長の体当たりで、怪獣は大きなダメージを受けた。やったで!

 ジェンチェンコの最後の言葉に、泣き崩れるアレクセイ。
 
 


 「ドアホ、機長の死をムダにするつもりか、このぼけなす!」



 
 
 彼を強引に立たせるアンドレイ。

 大きな犠牲は払ったが、なんとか住民を助けることには成功した。あとは飛行機を発進させて、安全な場所へ帰るのみ。

 アレクサンドラと分けて、2機の飛行機で飛ぶことになったが、不運なことに燃料が少ない。

 飛ぶにはギリギリや、もし失敗してもやり直しはきかん。まさに気合発進気合着陸

 

 

 

へー、どうなんの?

 

 

なんとかもってくれ。飛べ、飛んでくれ、フェニックス! なんとかワシらと乗客の命を救ってくれ!

 祈るようにハンドルを握るアレクセイ。それが通じたか、機体は見事に浮かび上がった

 

 

やったー、すごーい。

 

 

飛んだ! こうなったら冷静になるアレクセイは、ゆっくりとクラッチを切ってアクセルを踏みこむ。あとは自動操縦にまかせたらええ。
 
 これでついに、すべてのミッションをクリア。飛行機は救助者を乗せて、とうとうモスクワの空港に到着。

 大きな犠牲は払ってしまったが、それでも救われた命も多かった。ようやってくれた。

 プーチン大統領の言葉に、敬礼で答えるアレクセイらクルーたち。

 

 

 

 わー、空手八段の人やー。

 

 

 

 その後、災害の後処理をするため、またも飛ばなければならない国際救助隊やが、その前に束の間の休息があたえられる。

 そこでアレクセイは言うんや、


 


 「オレはこの事件から、自分が本当に大事に思っているものを見つけたんや……」



 

 その先にいるのは、恋人やったアレクサンドラ……やなくて、CAのアンドレイ

 彼もまた、無言でうなずく。

 2人はを取り合うと、
 

 


 「今夜は俺たちが大噴火だな」

 「へへ、救助を呼ぶほど激しいのは勘弁してくれよ」



 

 アッハッハとこだまする、男たちの笑い声。ふんどし姿でビーチを走る2人。
 
 『戦国自衛隊』と『ヒーローインタビュー』リスペクトの美しいラストシーン。聞こえてくるエンディングテーマ、流れるスタッフロール

 

 

感動やわー。 

 

 

 

 さて、ここから話はどうなるのか。

 

 

 

どうなるの?

 

 

 

 続きは映画館でお楽しみください。


 

 


 注1・シャロ村さんは「レビューのために、もう1回見直す」のがめんどくさいので、記憶をもとにだいたいで再現する「黒岩涙香スタイル」を採用しています。

 

 注2・読んだ方の中には「ネタバレだ!」と怒る人もいるかもしれませんが、たぶん3割くらいしか正確な情報がないので、安心してご鑑賞ください。
 


 注3・『ありがとう浜村淳』が、いつの間にか週1放送に。
 
 中学生時代、通学路に停まっている軽トラのラジオから流れてくる、浜村さんの極右トークを聴くのが朝の楽しみでした。 


 
 注4・『サタディバチョン』は北村安湖さんのファンでした。

 この世代の関西人にとって映画レビューは「全部語るがデフォですよね。
 


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