初めて、クラウドファンディングなるものに参加してみた。
クラウドファンディングとは、インターネットを通じて不特定多数の人から資金を集め、プロジェクトを実現させる仕組みのこと。
吝嗇で貧乏な自分には無縁なシステムだと思っていたが、この度ここにデビューとなったのだから、人生とはわからないものである。
支援することになったのは、丸山ゴンザレスさんのプロジェクト。
『バックパッカー・シンドローム』という同人誌で、今は滅びかけているらしい、
「日本人バックパッカー」
という文化を文字として残すというものだ。
テレビ番組『クレイジージャーニー』や、元受刑者から薬物の専門家など、幅広いゲストをあつかうYouTubeの『裏社会ジャーニー』などで有名だが、そんな丸山さんには、実はもうひとつの顔がある。
それが「バックパッカー」だったということ。
1990年代半ばから、2000年代前半にあった「海外(アジア)旅行ブーム」のど真ん中に青春を過ごし、
『地球の歩き方』
『深夜特急』
『旅行人』
『バックパッカーズ読本』
『12万円で世界を歩く』
『Gダイアリー』
なんてワードを耳にすると、「なつかしい!」という声と同時に、
「このせいで、人生を狂わされましたよ」
苦笑するという、因果なオジサンたちのひとりであるわけだ。
実際にマルちゃんが今のような仕事をするようになったのも、この「バックパッカー体験」の延長であるのだという。
今回、このクラファンにお金を出したのは、まさに自分も同世代の「バックパッカー」だったから。
自分の場合、当時の王道であった、
沢木耕太郎『深夜特急』か、蔵前仁一『ゴーゴーインド』『ゴーゴーアジア』を読む。
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タイやインドをぶらついているうちに旅中毒にかかる。
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『地球の歩き方』や『旅行人ノート』片手にユーラシア横断。
というパターンからは、ややハズれていて、
テニスのグランドスラム大会目的で海外へ。
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そこで「外国って、こんなオモロイんや!」と開眼。
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ヨーロッパを主戦場に、マグレブ(エジプトやモロッコなど北アフリカ)にトルコというイスラム圏。
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アジアはブームが終わってから。
みたいな感じだけど、同時期に旅にハマり、ザックかついで世界を経めぐっていたのは共通するところ。
ちなみに、アジアを後回しにしたのは近くていつでも行けるから、将来長い休みが取れなくなったときに行こうと思っていたこと。
モロッコとか、遠いところを体力あるうちに行っておこうとか、あと円が強かったから、
「今のウチに物価の高いヨーロッパを押さえておこう」
という思惑もあったりとか。
今のエグい物価高を考えると、結果的には成功だったかなーって感じだけど、当時は収入のほとんどを旅に突っこんて、いつも肩で息してましたねえ。
きっかけや場所、旅のスタイルは違えど、そこにはやはり「同志」という感覚はあるわけで、ノスタルジックな気分になり小口(最低金額の5000円)ながら参加してみることにしたのだ。
スタッフも豪華で、まず編集長を担当するのが『バックパッカーズ読本』『Gダイヤリー』でおなじみの室橋裕和さん。
執筆陣には、日本唯一のバックパッカー専門誌『旅行人』の編集長だった蔵前仁一さん。
『12万円で世界を歩く』の下川裕治さんに、『グレートジャーニー 人類400万年の旅』関野吉晴さん。
さらには私も大ファンで、本をほぼコンプリートしている辺境作家の高野秀行さんなど、レジェンド級の旅人がズラリと並ぶ。
これは野球で言えばブライアントにリベラ、デービスにオグリビーが藤井寺球場に集結するようなものである(←なんで例えが急に関西ローカルなのか?)。
1冊5000円の本となれば、なかなかの値段だが、このラインアップを見れば、それだけの価値はあると見る。
届いたら、またここで紹介します。楽しみ。