私はアメリゴ・ベスプッチと誕生日が同じ人である。
と書き出すと、朝からなんのこっちゃいといぶかしがられそうだが、本日3月9日は私の誕生日。
おお、なんとめでたい日であることか。ハッピーバースデイ、バイ・マイセルフ。
独身貴族の身では特に祝ってくれる人もいないので、自給自足でお祝いしたい。私は子供のころから、「自分のことは自分でしなさい」と、しっかりしつけられた世代なのである。
そんな私とアメリゴを結びつけることとなったのが、ある友人の誕生日(4月14日)。なにげなく皆でニュースを見ていると、
「今日が誕生日の有名人はこの人たちです」
そこで紹介されるのが、ミュージシャンのリッチー・ブラックモア、今井美樹、漫画家の大友克洋に、桜田淳子に中谷彰宏といった面々たち。
へー、オマエって中谷彰宏と同じ日に生まれたんや。こらおもろいと、そこにいた他の友人たちの誕生日を聞いてネットで調べてみると、皆けっこうたいした人物と同日生まれなのだ。
たとえば、6月20日生まれの友人ミナミ君は俳優の石坂浩二と、8月2日生まれの友人モトコちゃんはテニス選手のアーロン・クリックステインと同じ誕生日。
こういうのはたいてい「あいうえお」順なので、一発目に「あ」や「い」の人が来るわけだが、ウケるのはここで勝負が決まると言っていい。
なんといっても同日誕生日の有名人など山ほどいるのだ。全部は見きれないから、最初の5個くらいまでしかチェックは届かない。
となれば、先頭打者のインパクトがものを言うのだ。これがアーネスト・ヘミングウェイ(7月21日)とか石森章太郎(1月25日)のようなビッグな人ならいいが、「アホの坂田」だったりすると目も当てられない。
そこで、「じゃあ、次はオレな」と、自慢できる偉人よ出てこいとグーグルで「3月9日生まれの有名人」と検索してみると、一発目にでてくるのが堂々の、
「アメリゴ・ベスプッチ」
これである。イタリアの偉大な探検家。実はかの「アメリカ」という名前は、このアメリゴがなまってアメリカになったのが由来。
つまりは、もし彼の名前を発音する人がなまっていなかったら、彼の国は
「ユナイテッド・ステイツ・オブ・アメリゴ」
だったかしれないのである。
その他、『キャプテン・アメリカ』もキャプテン・アメリゴ。映画『アメリカン・ビューティー』もアメリゴン・ビューティー。ザ・ハイロウズも「これがアメリゴ魂」と歌っていたはずなのだ。
アメリゴンって、『スペクトルマン』あたりに出てきそうな、B級怪獣みたいだなあ。
3月9日生まれは他にもカルロス・ゴーンとかチェスのボビー・フィッシャーなど色々いるんだけど、なんせものが「あいうえお」順なので、どのようなサイトで見ても、一発目はどれもたいがいが「アメリゴ・ベスプッチ」になる。
アメリゴ・ベスプッチ。やったことは偉大だが、そのイメージを取ってみたら、日本人的にはどうにも、
「名前のおもしろい人」
である。「ベスプッチ」という響きがいけないのか。なんだか、新種のお菓子みたいだ。グミとかにありそう。「UHA味覚糖の新キャンディー、ベスプッチいちご味」とか。
これが、我が友たちに妙に受けたというのか、ほとんど「出オチ」みたいに出てくる「アメリゴ・ベスプッチ」に皆大笑い。ノリ的には、バリ島の聖なる山「キンタマーニ」やオランダの街「スケベニンゲン」でよろこぶ中学生みたいなものか。
それからすっかり、私は友たちの中で、
「アメリゴ・ベスプッチと同じ日に生まれた人」
というあつかいになり、誕生日の話になると、まずそのことでイジられるようになったのである。
うっかり今日生まれたばっかりに私なんかと同列に語られて、アメリゴも草葉の陰で砂を噛む思いであろう
と書き出すと、朝からなんのこっちゃいといぶかしがられそうだが、本日3月9日は私の誕生日。
おお、なんとめでたい日であることか。ハッピーバースデイ、バイ・マイセルフ。
独身貴族の身では特に祝ってくれる人もいないので、自給自足でお祝いしたい。私は子供のころから、「自分のことは自分でしなさい」と、しっかりしつけられた世代なのである。
そんな私とアメリゴを結びつけることとなったのが、ある友人の誕生日(4月14日)。なにげなく皆でニュースを見ていると、
「今日が誕生日の有名人はこの人たちです」
そこで紹介されるのが、ミュージシャンのリッチー・ブラックモア、今井美樹、漫画家の大友克洋に、桜田淳子に中谷彰宏といった面々たち。
へー、オマエって中谷彰宏と同じ日に生まれたんや。こらおもろいと、そこにいた他の友人たちの誕生日を聞いてネットで調べてみると、皆けっこうたいした人物と同日生まれなのだ。
たとえば、6月20日生まれの友人ミナミ君は俳優の石坂浩二と、8月2日生まれの友人モトコちゃんはテニス選手のアーロン・クリックステインと同じ誕生日。
こういうのはたいてい「あいうえお」順なので、一発目に「あ」や「い」の人が来るわけだが、ウケるのはここで勝負が決まると言っていい。
なんといっても同日誕生日の有名人など山ほどいるのだ。全部は見きれないから、最初の5個くらいまでしかチェックは届かない。
となれば、先頭打者のインパクトがものを言うのだ。これがアーネスト・ヘミングウェイ(7月21日)とか石森章太郎(1月25日)のようなビッグな人ならいいが、「アホの坂田」だったりすると目も当てられない。
そこで、「じゃあ、次はオレな」と、自慢できる偉人よ出てこいとグーグルで「3月9日生まれの有名人」と検索してみると、一発目にでてくるのが堂々の、
「アメリゴ・ベスプッチ」
これである。イタリアの偉大な探検家。実はかの「アメリカ」という名前は、このアメリゴがなまってアメリカになったのが由来。
つまりは、もし彼の名前を発音する人がなまっていなかったら、彼の国は
「ユナイテッド・ステイツ・オブ・アメリゴ」
だったかしれないのである。
その他、『キャプテン・アメリカ』もキャプテン・アメリゴ。映画『アメリカン・ビューティー』もアメリゴン・ビューティー。ザ・ハイロウズも「これがアメリゴ魂」と歌っていたはずなのだ。
アメリゴンって、『スペクトルマン』あたりに出てきそうな、B級怪獣みたいだなあ。
3月9日生まれは他にもカルロス・ゴーンとかチェスのボビー・フィッシャーなど色々いるんだけど、なんせものが「あいうえお」順なので、どのようなサイトで見ても、一発目はどれもたいがいが「アメリゴ・ベスプッチ」になる。
アメリゴ・ベスプッチ。やったことは偉大だが、そのイメージを取ってみたら、日本人的にはどうにも、
「名前のおもしろい人」
である。「ベスプッチ」という響きがいけないのか。なんだか、新種のお菓子みたいだ。グミとかにありそう。「UHA味覚糖の新キャンディー、ベスプッチいちご味」とか。
これが、我が友たちに妙に受けたというのか、ほとんど「出オチ」みたいに出てくる「アメリゴ・ベスプッチ」に皆大笑い。ノリ的には、バリ島の聖なる山「キンタマーニ」やオランダの街「スケベニンゲン」でよろこぶ中学生みたいなものか。
それからすっかり、私は友たちの中で、
「アメリゴ・ベスプッチと同じ日に生まれた人」
というあつかいになり、誕生日の話になると、まずそのことでイジられるようになったのである。
うっかり今日生まれたばっかりに私なんかと同列に語られて、アメリゴも草葉の陰で砂を噛む思いであろう