グザビエ・マリスがツアーに復帰していた。
このところ、テニス観戦の時間がグッと減ってしまったのが悩みである。
おそらくは、ここ数年、将棋番組を観る機会が増えたせいで、先日も白瀧あゆみ杯決勝の終盤戦がメチャクチャおもしろく、パソコンの前に釘付けになった。
小高佐季子女流初段が、詰むや詰まざるやの場面を見事に逃げ切り(渡辺明名人がちょっとウッカリした筋を見逃さなかったのがスゴイ!)、九州研修生の松下舞琳さんに勝利して優勝。
最近、こうして女流棋士の将棋を観られる機会が増えて、これがまあうれしいわけだが、そんなノリで将棋のはなしが増えて、いかんいかん、今日はテニスだとヒザを正すわけである。
テニスはグランドスラム大会だと試合時間も長いし、将棋や自転車ロードレースと違って、「ながら観戦」がむずかしいのもネックだが、それではいかんと、遅ればせながらインディアンウェルズ大会をチェック。
キャスパー・ルードの活躍とか、マッテオ・ベレッティーニとテイラー・フリッツの打ち合いはいいなあとか、決勝がニコロズ・バシラシビリとキャメロン・ノリーで、「地味な選手萌え」の私にはたまらんとか。
それと同時に、最近のツアーのニュースも集めているのだが、そこで目を引いたのが、
「グザビエ・マリス、ツアーに復帰」
グザビエ・マリス。
私の世代だと、「ザビエル・マリッセ」表記の方がなじみがあるが、10月のアントワープ大会でダブルスだがエントリーしているようなのだ。
私のようなオジ……壮年の紳士にはなつかしい名前で、また「地味選手萌え」な身としても、これは確認せねばなるまい。
最高ランキングが、シングルスで世界19位、ダブルスでも25位。
2002年のウィンブルドンでは、ベスト4(準優勝したダビド・ナルバンディアンに敗れた)。
また、2004年のローラン・ギャロスでは同胞のオリビエ・ロクスと組んでダブルス優勝という、ベルギーのレジェンド選手なのだ。
ベルギーのテニスといえば、このころは女子のジュスティーヌ・エナンや、キム・クライスターズが活躍しており、男子はさほど目立たない印象だった。
それでも、今見れば実績はなかなかのもので、マリスに加えて、
フィリップ・デブルフ(最高ランキング39位、1997年のローラン・ギャロスでベスト4)
オリビエ・ロクス(最高ランキング24位、2004年のローラン・ギャロスでダブルス優勝)
などなど、いいプレーヤーは多いのだった。
そんなマリスは、コーチを務める南アフリカのロイド・ハリス(24歳・世界31位)と組んでダブルスに出場。
弟子とのコンビと言うことで、真剣勝負というよりも「指導モード」に近いのかもしれないが、それでも昔取った杵柄でベスト4進出を果たしたのは、さすがである。
そんなマリスと言えば、今でも忘れられない試合がある。
それが2012年のウィンブルドン4回戦。ロジャー・フェデラーとの一戦。
理由のひとつは、この試合でマリスが非常にいいプレーを見せてくれたこと。
もうひとつは、アスリートのインタビューなどでよく聞く、
「勝負の世界は、いい人と思われたらお終い」
という言葉の意味を、少しばかり理解することができたからだ。
(続く→こちら)