前回(→こちら)に続いて、『HOW TO BUILD GUNDAM』のお話。
子供のころ『プラモ狂四郎』にあこがれ、
「オレも、ポリパテやプラ板を使って、プラモデルをカッコよく改造する!」
なんて、あこがれた我々世代の子供は、せっせと、そういう情報を集めることとなる。
そういうとき、指南役を名乗り出てくれるのが、この『HOW TO』。
ジャンク部品を使った工作や、塗装におけるウェザリング技術など、あれこれとプラモ制作や改造に役に立つ知識が満載なのだが、これが一言でいえば濃い。
論より証拠で、実際に見ていただければわかるが、こんなこまかい作業、子供だった私には無理です。
というと、そりゃまあ『ホビージャパン』は専門誌なんだから、多少はむずかしいことも言うっしょ。
という意見はあるかもしれないが、これが少年誌のハズな『コミックボンボン』のプラモ特集のページも、ほとんど同じようなことが書いてあったものだ。
「キャノン砲は木材をけずり出して自作」
「背中のランドセルはパテを土台にプラ板で作成」
「ミディアとコアファイターはフルスクラッチで用意した」
そんなん小学生には、できませーん!
あまつさえ、
「よくゲルググはキングタイガー云々だと言われるが、著者にはМe262に思えてならない。大別して戦闘型のゲルググとキャノン装備で構成するTeL52とシュツルムフォーゲルと言った感じか」
みたいな、マニアックすぎるこだわりを語ったりと、もうこっちはパーティングラインも消せない素人どころか、貧乏やから塗料を買う金もないんや!
素組だけしたプラモデルで、バーンとかドーン言うて遊んでただけの子供には、ハードル高すぎますわ。
バンダイの偉い人、川口名人による、やさしくも熱血な指導。
こんな緻密な作業、小学生に要求すなよ……。
それに臆したわけではないが、もともとこまかい作業が苦手な私は、子供のころこそブームも相まって、ガンプラをちょこちょこ買ったりしたが、その後はまったく無縁となった。
せいぜい、なにかでヒマなときに科学特捜隊のジェットビートルを作って塗ったくらいで、大人になってマスターグレードとか見て、おどろいたりしていたド素人のままである。
それでひとつ残念だったのが、大人になって一時期、アルバイトで便利屋みたいなことをやっていたときのこと。
ここでは、ちょいちょい家のベランダに、ペンキを塗るみたいな仕事があったのだが、そのついでに、おふろ掃除をしたり、水道のパッキンを代えたり、キッチンをみがいてピカピカにしているとき思ったものだ。
「あー、建物って、巨大なプラモみたいなもんなんやなあ」
ヤスリかけたり、マスキングテープを貼ったり、ドライバーでネジをグルグルやったりしていると、
「うーん、昔、もうちょっとマジメにプラモデル作って塗装したりしてたら、案外とこういう大工仕事に役立ったかもなあ」
なんて考えたもので、ゲーム好きが高じてプログラマーになった友人も結構いるし、
「子供が勉強せず、プラモデルで遊んでばかりいる」
と嘆いている親御さんも、もしかしたらそれが将来「手に職」に結びつくかもしれないので、温かく見守ってあげてほしいがどうか。
(プラモのモ子ちゃん編に続く→こちら)