バチカンとかローマ教皇とかカトリックとか、何も知らん私がラテン語を学ぶ

2024年11月20日 | 海外旅行

 「ついに禁断の言語を始めてしまったか……」
 
 
 スマホの語学アプリを検索しながら、そうひとりごちたのは、冬の近づく寒い夜のことだった。
 
 このところ私は、
 
 
 「世界のあらゆる語学をちょっとだけやる」
 
 
 ということにハマっており、ここまでフランス語ドイツ語(学生時代の復習)、スペイン語ポルトガル語
 
 そして、トルコ語イタリア語もクリアし、オランダ語も少しかじってというチョコザップならぬ「チョコ語学」である。
 
 まあ、やってもせいぜいが1か月2か月ほどで、身に付くのも「中2レベルの文法と単語」くらいなものだが、こんなもんでも、
 
 


 Mi hermana no puede ser tan linda.
 (俺の妹がこんなに可愛いわけがない)


 
 Ihre Augenbrauen sind tatsächlich Takuan.
 (彼女の眉毛は実はたくあんです) 

 

 Je vais te faire 'Mick Mick'!
 (みっくみくにしてやんよ)



 
 
 くらいなら理解できるのだから、なかなかのものではないか。
 
 「飽きたらやめる」がルールなので、オランダ語からそろそろに移行しようと、言語関係の本をあさっていたら、こんなものがでてきた。
  
 それが、Twitterで有名な「ラテン語さん」のベストセラー『世界はラテン語でできている』。
 
 これが、おもしろくて「次はラテン語や!」となったのだ。
 
 といっても、語学学習や世界史に興味のない方には「どこの言葉?」となるかもしれないが、それは正しい反応である。
 
 なんといってもラテン語とは、古代ローマ帝国公用語
 
 いわゆる『テルマエロマエ』の世界だが、そのあとは中世ヨーロッパ教会や、インテリの間での共通語として流通。

 今、使われているフランス語イタリア語は、このラテン語の口語版がベースになっている言語だ。
 
 16世紀くらいから、各地でその土地言語が確立していった(フランス語とかドイツ語とか)ため、ゆるやかに衰退し今で死語(というと、いろいろ怒られそうだけど)になっている。
 
 日本で言う「古文」「漢文」だと考えるとわかりやすいが、そういう歴史ある格調高い言葉なのである。
 
 ただ格調は高いが、これがどこかで役に立つのかと言えば、なかなかむずかしいところはある。
 
 どこの国でも使用されてなくて、かろうじて今使われているのがバチカン市国だが、かの地の思い出と言えばイタリア旅行の際に寄ったときのこと。

 なんか、日曜日の昼かなんかにから顔を見せて祈りを唱えるらしく、それ目当てで出かけたのだが、その感想はと問うならば、

 


 「なんか、知らんおじいちゃんが出てきた……」


 

 知性のかけらもないリアクションだが、まあカトリックでなければ、だいたいこんなもんである。

 こんな縁もゆかりもないもん、だれがやるねんだが、がやるのだ。
 
 われながら頭がおかしいが、一応これがそんな変な話でもないというのが、またおもしろいところではある。
 
 というのも、私が今やってる
 
 
 「言語的距離の近い言葉をやる」
 
 
 という意味では、かなり正しい選択ではある。
 
 ここまでフランス語スペイン語ポルトガル語イタリア語という「ロマンス語群」はもともとすべて、
 
 
 「ラテン語の方言
 
 
 なので、いわば「親玉」。
 
 『ドラゴンクエスト』や『ファイナルファンタジー』のファンが『ダンジョンズドラゴンズ』をプレーするようなもの。

 その意味では「流れ」としては、むしろ必然ともいえるのだ。
 
 「歴史を学ぶ」姿勢は大事であろうと、我がことながら「なヤツ」と思わなくもないが、ともかくもラテン語学習開始
 
 いい加減なのものだが、そのゆるさが案外と「続く」コツでもあり、この「ファランクス作戦」も、とりあえずやってみる所存だ。

 

 (続く
 


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