昨年の秋、泉涌寺の御座所庭園を見学しました。
御座所は、仏殿・舎利殿の背後に位置し、江戸時代末期の安政年間に建立され、明治天皇が使用していた旧御所の御里御殿を1884年に移築したものです。
中には、女官の間、門跡の間、皇族の間、侍従の間、勅使の間、玉座の間などがあります。
侍の間
玉座の間は、天皇皇后が来寺した際に休息所として使用する部屋で、即位報告(1990年)、平安建都1,200年記念(1994年)、在位10年の報告(1999年)などの際に今上天皇が泉涌寺を訪れ、この部屋を使用しています。
現在でも、両陛下をはじめ皇族方の御陵御参詣の際の御休所として使われています。
また、内部の襖絵は狩野派をはじめ、江戸時代を代表する絵師によって描かれています。
御座所庭園は、境内の奥の本坊にあり、人が少なく「穴場」と呼べる場所です。
秋は紅葉が美しく、かつて、昭和天皇が御陵参拝の際、この庭をご覧になり
「春ふけて 雨のそぼふるいけ水に かじかなくなり ここ泉涌寺」
と詠まれています。