今回ご紹介するのは「四畳半王国見聞録」(著:森見登美彦)です。
-----内容-----
諸君!世界とは、四畳半の内部にこそ存在しているのだ!
徹底して純粋な阿呆たち。
狭小な正方形に立て籠もる彼らの妄想は壮大な王国を築き上げ、やがて世界に通じる扉となり…
7つの宇宙的妄想が、京の都を跋扈する。
-----感想-----
森見登美彦さんの作品でよく出てくるのが、「四畳半」。
森見さん自身の経験なのかは不明ですが、作品に出てくる主人公は四畳半の部屋に住んでいることが多いです。
その四畳半を最大限に生かしたのが今回の作品。
同じく四畳半を舞台にした作品に「四畳半神話体系」がありますが、今回はあの時より「笑いの要素」が増えたなと思います。
とにかく主要登場人物が阿呆な人ばかりなので、情景描写にしろ会話にしろ、自然と笑ってしまいます^^
森見さん独特の言い回しで繰り広げられる変わり者の学生たちの活躍はとても面白く、何日かに分けて読むつもりが1日で読み終わってしまうほどでした。
物語は7つの章から構成されているのですが、私的には第2章の「蝸牛(かぎゅう)の角」の書き方が印象的でした。
それぞれの段落の最後から次の段落に移るとき、全く違う場面に飛ぶのですが、しかしそれぞれが何とも言えないリンクの仕方をしてもいて、この手法が斬新に感じました。
段落間でああいうつながり方をするのは今まで読んだことがなかったかも知れません。
登場する学生はみんな面白いですが、中でも変わっていたのは「数学氏」と呼ばれる男。
彼は四畳半に篭って数学に没頭する変わり者で、数式を駆使して壮大なことに挑んでいます。
それはなんと、「妄想的数学によって自分に恋人が存在することを証明する」こと。
くる日もくる日も謎めいた数式を展開していって、その答えが導き出されたとき、それが意味する場所に恋人が現れるというのです。
数式展開によって導き出される、自分の恋人となる人。
そんなの無理に決まってるだろうと思いましたが、何しろ森見さんの作品なのであり得ないことが起きたりもします(笑)
果たして本当に数学によって自分に恋人が存在することを証明できるのか、なかなか興味深かったです。
というわけで、四畳半をメイン舞台にしつつ、登場人物それぞれが色々と活躍していきました。
タイトルが「四畳半王国見聞録」というくらいですから、登場人物の中には自身の王国を築こうとした人もいました。
もちろん四畳半の中に。
みんな変わり者で阿呆な話ばかりでしたが、森見さんらしさが存分に発揮されていてとても面白い作品でした
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-----内容-----
諸君!世界とは、四畳半の内部にこそ存在しているのだ!
徹底して純粋な阿呆たち。
狭小な正方形に立て籠もる彼らの妄想は壮大な王国を築き上げ、やがて世界に通じる扉となり…
7つの宇宙的妄想が、京の都を跋扈する。
-----感想-----
森見登美彦さんの作品でよく出てくるのが、「四畳半」。
森見さん自身の経験なのかは不明ですが、作品に出てくる主人公は四畳半の部屋に住んでいることが多いです。
その四畳半を最大限に生かしたのが今回の作品。
同じく四畳半を舞台にした作品に「四畳半神話体系」がありますが、今回はあの時より「笑いの要素」が増えたなと思います。
とにかく主要登場人物が阿呆な人ばかりなので、情景描写にしろ会話にしろ、自然と笑ってしまいます^^
森見さん独特の言い回しで繰り広げられる変わり者の学生たちの活躍はとても面白く、何日かに分けて読むつもりが1日で読み終わってしまうほどでした。
物語は7つの章から構成されているのですが、私的には第2章の「蝸牛(かぎゅう)の角」の書き方が印象的でした。
それぞれの段落の最後から次の段落に移るとき、全く違う場面に飛ぶのですが、しかしそれぞれが何とも言えないリンクの仕方をしてもいて、この手法が斬新に感じました。
段落間でああいうつながり方をするのは今まで読んだことがなかったかも知れません。
登場する学生はみんな面白いですが、中でも変わっていたのは「数学氏」と呼ばれる男。
彼は四畳半に篭って数学に没頭する変わり者で、数式を駆使して壮大なことに挑んでいます。
それはなんと、「妄想的数学によって自分に恋人が存在することを証明する」こと。
くる日もくる日も謎めいた数式を展開していって、その答えが導き出されたとき、それが意味する場所に恋人が現れるというのです。
数式展開によって導き出される、自分の恋人となる人。
そんなの無理に決まってるだろうと思いましたが、何しろ森見さんの作品なのであり得ないことが起きたりもします(笑)
果たして本当に数学によって自分に恋人が存在することを証明できるのか、なかなか興味深かったです。
というわけで、四畳半をメイン舞台にしつつ、登場人物それぞれが色々と活躍していきました。
タイトルが「四畳半王国見聞録」というくらいですから、登場人物の中には自身の王国を築こうとした人もいました。
もちろん四畳半の中に。
みんな変わり者で阿呆な話ばかりでしたが、森見さんらしさが存分に発揮されていてとても面白い作品でした

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