今回ご紹介するのは「また会う日まで」(著:柴崎友香)です。
-----内容-----
好きなのになぜか会えない人がいる……
OL有麻は25歳。
あの修学旅行の夜、鳴海くんとの間に流れた特別な感情を、会って確かめたいと突然思いたつ。
有麻のせつない1週間の休暇を描く話題作!
-----感想-----
梅雨が明ける前の7月、月曜日から、物語は始まります。
主人公は大阪で働く仁藤有麻(ゆま)。
有麻は一週間の休暇を取って、東京にやってきました。
最初有麻は東京メトロ表参道駅の銀座線と半蔵門線のホームにいました。
電車からホームに出た後、地上に出るために一度階段を降りるのですが、「地下鉄から地上に出るのになんで降りるんだろう」と言っていて、たしかにそうだなと思いました(笑)
有麻は「しょうちゃん」と待ち合わせていて、部屋に泊めてもらうことになっていました。
しょうちゃんの名前は祥次と言い、大学の写真部で一緒だった男友達です。
しょうちゃんは写真の仕事をしていて、有麻も仕事は違いますが趣味で写真は撮っています。
明治通りの交差点や表参道の坂などが出てきて、何度も歩いたことがあるので場所の想像がしやすかったです。
同潤会のアパートがあった場所が作中では工事中になっていましたが、ここには現在表参道ヒルズが建っています。
表参道と明治通りの交差点も鉄板が敷かれて工事中になっていましたが、これも現在は工事が終わっています。
読んでいたらまだ工事をしていた時、鉄板の上を歩いていたら下から振動が伝わってきたのを思い出し、懐かしくなりました^^
李花ちゃんという、二つ上で二年前まで有麻の勤めている会社の東京営業所にいた子も出てきました。
今はテレビや雑誌に出る仕事をしています。
火曜日になると、有麻が東京に来た目的が明らかになります。
有麻は高校以来久しぶりに岩井鳴海という人に会おうとしていました。
恋心とは少し違うようですが、何やら特別な感情があるようです。
ちなみに物語は月曜日、火曜日、水曜日と一日ごとに進んでいきます。
「ほんとうは私が思ってもみないような景色のところがたくさん集まって東京っていう街なんだろうと思う」という有麻の言葉は印象的でした。
しょうちゃんが行ってきた「浮間舟渡(うきまふなど)」という地名は東京在住の私も知りませんでした。
有麻は無事に鳴海君と再会を果たします。
しかしここから、物語に妙な人物が絡んでくるようになりました。
凪子という変わった子がいて、鳴海のことが好きなのか何なのか、たまに鳴海の家の前で待っていたりします。
鳴海曰く「害のないストーカーみたいなもの」とのことでした。
凪子は鳴海と一緒に居た有麻のことも気になるようで、あれこれ聞いてきたりして接点が出来ていきます。
作中で出てきた、江戸時代には武士と町人はそれぞれ居住区域が分かれていたということ、そしてそれが現在も町の読み方に表れているというのは興味深かったです。
「御徒町(おかちまち)」のように町をまちと読む場合は武士の町、「○○町(ちょう)」という読み方の場合は職人などの町人の町とのことです。
ただ調べてみたら神田神保町(かんだじんぼうちょう)は武士の町だったというように、必ずしもそうとは限らないようです。
有麻は最初しょうちゃんの部屋に泊まったのですが、次は鳴海君の部屋に泊まり、その次は李花ちゃんの家に泊まっていました。
泊まり歩いているのが、私はこういう滞在の仕方はしないので珍しく感じました。
物語は、なんといったことのない日常を描いたものです。
大きなことは何も起きないし、日常の中での会話が中心です。
そこに所々興味深いことが書かれていて、物語のアクセントになっていたように思います。
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-----内容-----
好きなのになぜか会えない人がいる……
OL有麻は25歳。
あの修学旅行の夜、鳴海くんとの間に流れた特別な感情を、会って確かめたいと突然思いたつ。
有麻のせつない1週間の休暇を描く話題作!
-----感想-----
梅雨が明ける前の7月、月曜日から、物語は始まります。
主人公は大阪で働く仁藤有麻(ゆま)。
有麻は一週間の休暇を取って、東京にやってきました。
最初有麻は東京メトロ表参道駅の銀座線と半蔵門線のホームにいました。
電車からホームに出た後、地上に出るために一度階段を降りるのですが、「地下鉄から地上に出るのになんで降りるんだろう」と言っていて、たしかにそうだなと思いました(笑)
有麻は「しょうちゃん」と待ち合わせていて、部屋に泊めてもらうことになっていました。
しょうちゃんの名前は祥次と言い、大学の写真部で一緒だった男友達です。
しょうちゃんは写真の仕事をしていて、有麻も仕事は違いますが趣味で写真は撮っています。
明治通りの交差点や表参道の坂などが出てきて、何度も歩いたことがあるので場所の想像がしやすかったです。
同潤会のアパートがあった場所が作中では工事中になっていましたが、ここには現在表参道ヒルズが建っています。
表参道と明治通りの交差点も鉄板が敷かれて工事中になっていましたが、これも現在は工事が終わっています。
読んでいたらまだ工事をしていた時、鉄板の上を歩いていたら下から振動が伝わってきたのを思い出し、懐かしくなりました^^
李花ちゃんという、二つ上で二年前まで有麻の勤めている会社の東京営業所にいた子も出てきました。
今はテレビや雑誌に出る仕事をしています。
火曜日になると、有麻が東京に来た目的が明らかになります。
有麻は高校以来久しぶりに岩井鳴海という人に会おうとしていました。
恋心とは少し違うようですが、何やら特別な感情があるようです。
ちなみに物語は月曜日、火曜日、水曜日と一日ごとに進んでいきます。
「ほんとうは私が思ってもみないような景色のところがたくさん集まって東京っていう街なんだろうと思う」という有麻の言葉は印象的でした。
しょうちゃんが行ってきた「浮間舟渡(うきまふなど)」という地名は東京在住の私も知りませんでした。
有麻は無事に鳴海君と再会を果たします。
しかしここから、物語に妙な人物が絡んでくるようになりました。
凪子という変わった子がいて、鳴海のことが好きなのか何なのか、たまに鳴海の家の前で待っていたりします。
鳴海曰く「害のないストーカーみたいなもの」とのことでした。
凪子は鳴海と一緒に居た有麻のことも気になるようで、あれこれ聞いてきたりして接点が出来ていきます。
作中で出てきた、江戸時代には武士と町人はそれぞれ居住区域が分かれていたということ、そしてそれが現在も町の読み方に表れているというのは興味深かったです。
「御徒町(おかちまち)」のように町をまちと読む場合は武士の町、「○○町(ちょう)」という読み方の場合は職人などの町人の町とのことです。
ただ調べてみたら神田神保町(かんだじんぼうちょう)は武士の町だったというように、必ずしもそうとは限らないようです。
有麻は最初しょうちゃんの部屋に泊まったのですが、次は鳴海君の部屋に泊まり、その次は李花ちゃんの家に泊まっていました。
泊まり歩いているのが、私はこういう滞在の仕方はしないので珍しく感じました。
物語は、なんといったことのない日常を描いたものです。
大きなことは何も起きないし、日常の中での会話が中心です。
そこに所々興味深いことが書かれていて、物語のアクセントになっていたように思います。
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