読書日和

お気に入りの小説やマンガをご紹介。
好きな小説は青春もの。
日々のできごとやフォトギャラリーなどもお届けします。

梅風味の鰹かつ定食

2013-05-18 14:33:06 | グルメ


先日、「大戸屋」で「梅風味の鰹かつ定食」を食べました。
以前から食べてみたかったメニューです。
鰹(かつお)は揚げてカツになっているイメージがあまりなかったので新鮮でした。
鰹と言えば鰹節や鰹の叩きのイメージですしね。

梅ベースのソースと野菜でさっぱりとしたメニューでした。
ソースは梅の果肉が使われているようで、酸味が効いていて、さっぱりとしてとても美味しかったです
鰹のカツとの相性も良かったです。
鰹のカツ自体もトンカツとかに比べるとさっぱり目で、全体として重さがなくさっぱりメニューを食べたい時にピッタリだなと思います。
野菜もたっぷりあったのでそちらも梅ソースと共に頂きました。
体に優しいヘルシー定食だったように思います。
美味しかったのでまた食べてみたいです

飯島内閣官房参与が訪朝

2013-05-17 20:11:15 | 政治
先日から飯島勲内閣官房参与が北朝鮮を訪朝しています。
飯島氏はまず15日、朝鮮労働党の外交トップにあたる金永日(キム・ヨンイル)書記と会談。
続いて16日、北朝鮮の序列第2位の金永南(キム・ヨンナム)最高人民会議常任委員長と会談。
序列第2位とあるように、この人は金正恩(キム・ジョンウン)第一書記に次ぐ北朝鮮ナンバー2の人です。
安倍晋三首相は全政治家の中で最も拉致問題の解決に真剣に取り組む人なので、まず間違いなく拉致問題について何らかの協議がなされたのだと思います。
昨年末に書いた「安倍新内閣発足 簡単に解説」という記事の中で、「安倍晋三氏は政界で最も拉致問題に真剣に取り組む人なだけに、どこかのタイミングで必ず動く」と書いていましたが、いよいよそのタイミングが来たかという印象です。
まず飯島内閣官房参与が地ならしをして、いずれ安倍晋三首相が訪朝という流れになっていくのではと思います。

ところが。。。これに水を差す二大勢力がいます。
韓国と、日本マスコミです。
韓国は相当焦っているようで、意味不明な日本批判をしています。
「発狂的反日国家」が本領発揮している状態で、日本と北朝鮮が協議するのが余程不都合なようです。
自分は一年中「反日」で発狂して日米韓の連携を乱しているのに、それを棚に上げて「今回の飯島氏の訪朝は日本のためにならない」とか何とか、まさしく意味不明なことを言っていました。
これには菅義偉官房長官も怒っているようで、昨日の会見で「何を言いたいのか分からない」と吐き捨てるように言っていたところに凄い怒りを感じました。
それと、「言っている意味がよく分からないというのが率直なところ」と呆れ気味にも言っていて、それはそうだろうと思います。
発狂的反日国家・韓国の言っていることは文字通り意味不明で、無理やり日本に因縁をつけているようにしか見えないです。
「反日」で騒ぐことでしか存在意義を見出せないイカれた国。

それと、韓国と並んで異常なのが日本のマスコミ。
「飯島内閣官房参与の訪朝に韓国から懸念の声が出ています!」と随分嬉しそうに報じているではないですか。
一体どこの国のマスコミなのでしょうか。
韓国のマスコミなのでしょうか。
まさしく「反日左翼マスコミ」が本領発揮している状態で、完全に韓国の代弁者と化しています。
この「日本ではなく韓国の側に立った報道」にはかなり無理があるので、さすがにこれはおかしいだろうと気付く人も結構多いのではと思います。
ひとまず日本のマスコミが「拉致問題の進展を邪魔したい」と考えているのはよく分かったし、「反日左翼マスコミ」とはよく言ったものだと思います。
どう見ても異常な光景です。

以上のように、拉致問題の解決に向けては日本の足を引っ張ろうとする二大勢力がいます。
どちらも悪質極まりないですが、特に日本マスコミはわざわざ日本の国益を棄損し、韓国の側に立って日本人をネガティブにさせる報道をするだけに始末に負えません。
悪質な報道が一日も早く是正されることを切に願います。

橋下徹大阪市長の発言

2013-05-15 20:37:50 | 政治
まあこれは駄目でしょうね
「慰安婦は必要だった、そんなことは誰だって分かる」と随分明け透けなことを言っていましたが。。。
仮にも「日本維新の会」という政党の共同代表なのですから、発言の波紋を考慮せずに突っ走るのはいかがなものかと思います。
大阪の人によく見られる「明け透けな物言い」が悪い方向に出たケースかも知れません。

ちなみに橋下徹大阪市長兼日本維新の会共同代表は「建前を言うな、本音を言え」的なことも言っていましたが…
私は政治の世界、それも「国政」ともなれば、「建前」はとても大事なことだと思いますよ。
建前無視の本音で突っ走った場合、事態が良くなるどころかむしろ国益を大きく損ないかねない場合もあるわけで、今回の橋下市長がまさにそんな感じかなと思います。
韓国が大暴れする口実を与えてしまっています。

実際、慰安婦を旧日本軍が強制的に連れてきて働かせていたとする「河野談話」の撤回と、それに変わる「安倍談話」の発表を視野に入れている安倍晋三首相でも、国会答弁では河野談話について「菅官房長官の元で検討している」という言い方にしています。
「検討している」という言い方がポイントです。
これが「建前」というもので、いくら何でも「河野談話を叩き潰します」と露骨に攻撃的なことは言いませんよ。
それが政治の世界での発言の仕方です。
また安倍晋三首相と考え方の近い下村博文文部科学大臣や稲田朋美行政改革担当大臣も今回の橋下市長の発言には批判的で、「その辺のおじさんの発言じゃないんだから…」というのは印象的な苦言でした。
要するに韓国が「日本軍が強制連行したんだ!」と主張する「従軍慰安婦」なるもの(嘘八百の主張ですが)に対し厳しい態度で望む議員であっても最低限の建前はわきまえるべきと考えているわけで、まあそれはそうだろうと思います。

それと橋下市長の場合はどうも見当違いの方向に突っ走っている気がします。
韓国が主張する、「いわゆる従軍慰安婦問題」での焦点は「強制」についてです。
慰安婦自体は存在しましたが、それは報酬が支払われる形での「募集慰安婦」であって、旧日本軍が人さらいのように強制連行してきたわけではないのです。
いずれ河野談話を覆す形で出されるであろう「安倍談話」もそういった内容になるのだろうと思います。
「慰安婦自体はいました、そして慰安婦の方々には多大なるご負担をおかけしました、ただし募集慰安婦であり、韓国が主張するような旧日本軍が強制連行してきたという事実はありません、ふざけるのもいい加減にしなさい」といった感じで(最後の一小節はこの問題での韓国に対する私の印象です)。

しかし橋下徹大阪市長兼日本維新の会共同代表の場合は「慰安婦は必要だった、そんなことは誰だって分かる」と慰安婦への配慮をまるでしていない発言になっていて、これは駄目だろうと思います。
さすがにこれだと「女性への人権侵害」といった類の話になってきます。
反日左翼思想の方々(社民党の福島みずほさんとか、民主党の方々とか、辻元清美さんとか)が恣意的に、都合の良い武器のように使う人権侵害という言葉ではなくて、本当の意味での「人権侵害」。
女性蔑視も甚だしいという話で、だから「建前」は大事にすべきなんです。
たとえ本音で「慰安婦は必要だった」と考えているのだとしても、そこは女性の人権を重んじて、軽々しい発言はしないほうが良いのではと思います。
そうでないと「女性の人権がどうのこうので何とかかんとかの会」といった類の「人権団体」がここぞとばかりに動き出すのでは…と思ったら、もう既に動き出しているようです
私的にはいずれ出される「安倍談話」を静かに待ちたいので、橋下市長が暴走して変な方向に突っ走るのはやめてほしいなと思います。

「よろこびの歌」宮下奈都

2013-05-14 23:12:49 | 小説
今回ご紹介するのは「よろこびの歌」(著:宮下奈都)です。

-----内容-----
著名なヴァイオリニストの娘で、声楽を志す御木元玲は、音大付属高校の受験に失敗、新設女子高の普通科に進む。
挫折感から同級生との交わりを拒み、母親へのコンプレックスからも抜け出せない玲。
しかし、校内合唱コンクールを機に、頑なだった玲の心に変化が生まれる―。
見えない未来に惑う少女たちが、歌をきっかけに心を通わせ、成長する姿を美しく紡ぎ出した傑作。

-----感想-----
主人公は御木元玲(みきもとれい)という、私立明泉女子高等学校の普通科に通う二年生。
玲は当初、音大の付属高校に入り、そのまま大学へ、さらには大学院へ進むつもりでいました。
母親が著名なヴァイオリニストということもあり、自分自身も幼い頃から音楽に慣れ親しんできて、音楽と共に生きていくのが当たり前だと思っていました。

しかし、受験に失敗しました。
入試の実技試験では譜面を渡されその場で四人ずつに分かれて合唱をしたらしく、その実技の結果で落とされたようです。
音楽に限らずこういった芸術分野では、条件が同じなら単純に才能の差で勝負が決まるのはなかなかシビアなところです。
受験に敗れた玲は母に対してもコンプレックスを持つように。
「認めざるを得なかった。私の音楽の才能は母よりも劣っている」
と本人が語っていました。
そんなわけで、高校生活も空虚なものに。
学校には一切何も期待せず、ただ淡々と毎日を過ごしている感じでした。

そんなある日、秋の終わりにあるクラス対抗の校内合唱コンクールで、玲が「指揮」をやることに。
周りに言われて嫌々引き受けた指揮ですが、意外にも練習が始まるとやる気を出す玲。
音楽への気持ちは、まだ失われてはいなかったようです。
ただし玲がやる気になったからと言って周りの子達も全員やる気になるわけではなく、
「あのさあ、御木元さん、あたしたちべつに優勝しようとか思ってないし」
「この際だから言わせてもらうけど、こんな練習、楽しくないよ」
などと不評を買っていました。
まあこれはそうだろうなと思います。
いきなり熱くなって、周りにも同じものを要求するとなると、他の子達からは煙たがられると思います。
中学の合唱コンクールで、やたらやる気になっている子達が同じパフォーマンスを周りにも要求し、うんざりしながら歌っていたのをふと思い出しました。
あれは楽しさのない音楽だったなと思います。
この作品の良いなと思うのは、「その先」が描かれていることですね。
「楽しい音楽」とは何なのか、玲自身が気付くことになりました。
無理やり歌わせた音楽と、みんなが自発的に歌ってくれた音楽、同じ楽譜でも音色には凄い差が出ると思います
それを気に、玲自身の心にも変化が生まれていきます。
それまで全く感心のなかった学校やクラスの子に対して、少しずつ心を開くようになっていきました。

ちなみに物語は以下の短編七編で構成されています。

do よろこびの歌 12月1日 御木元玲
re カレーうどん 12月22日 原千夏
mi No.1 1月13日 中溝早希
fa サンダーロード 1月27日 牧野史香
sol バームクーヘン 2月19日 里中佳子
la 夏なんだな 2月26日 佐々木ひかり
si 千年メダル 3月4日 御木元玲

こうして書いてみて初めて気付きましたが、それぞれのタイトルの前にあるローマ字、よく見ると「ドレミファソラシ」の音階になっています。
読んでいる時は気付きませんでした。
この作品が「音楽小説」なのを象徴するようです
歌から紡ぎ出される青春グラフィティー

二話目の原千夏さんからは、クラスメイトから見た御木元玲について描かれています。
原千夏さんはクラス対抗の校内合唱コンクールで玲に指名される形でピアノを弾くことになった人だし、中溝早希さんは練習中に「この際だから言わせてもらうけど、こんな練習、楽しくないよ」と言っていたまさにその人だしで、そういう人達はどんな心境なのかとても興味深かったです。
中溝早希さんの玲に対する複雑な心境はなかなか面白かったです。
「どうして御木元玲にむかつかなくちゃならないのか自分でもわからない。わざわざ目の敵にするほどの子ではない。それほど関わりのある子じゃないし、それほど嫌な子でもない、はずだ。人に歩み寄ろうという姿勢のない、鈍感で、幼くて、傲慢で、気取ってて、いけすかないやつではあるけれど」
後半からの辛辣な評価を見て、これってメチャメチャ嫌ってるんじゃないのかなと思いました(笑)
中溝早希さんはとある事情で既に人生を諦め、「余生」と思っているところがあるので、どこか輝いて見える玲の存在が眩しくてイライラするようですね。
そしてそのイライラは玲に対してというより、自分自身に対して。
悶々とした葛藤を抱え、彼女もまたもがいていました。

クラス委員長の佐々木ひかりさんの御木元評も印象的でした。
「わざと雪の日を選んで、道のまんなかにすっくと立っている少女」
なるほどなと思いました。
たしかに高校に入学してから二年生の秋までの玲はまさにそんな感じでした。
誰も寄せ付けず、常に一人でいる孤高の存在。
でもそれを変えたのが「校内合唱コンクール」でした。
コンクールで歌ったのは『麗しのマドンナ』という曲で、その後もこの曲が物語の重要な要素になっていました。
やがて卒業式の前日にある「卒業生を送る会」でも歌うことになる『麗しのマドンナ』。
そこに向けて、玲が中心となり練習に励んで行く日々。
最終章「si 千年メダル 3月4日 御木元玲」は再び玲が語り手になるので、第一章から三ヶ月の間に、「人に歩み寄ろうという姿勢のない、鈍感で、幼くて、傲慢で、気取ってて、いけすかないやつ」とまで評されていた玲がどのくらい変わったのか、興味深くページをめくっていきました。
いつの間にか苗字ではなく「名前」で呼ぶ子が増えていたのが印象的な最終章でした。
あの後どうなったのかは分かりませんが、きっと大団円になったのではないかなと思います


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たまに食べたくなるパスタ

2013-05-13 23:07:27 | グルメ
パスタは普段はあまり食べないのですが、たまに無性に食べたくなることがあります。
そんな時はパスタ屋へと足を運びます。

今回頼んだのは「北海道の大地の恵みのチーズクリームスープスパゲッティー」というメニュー。
名前が長いですね(笑)
北海道の大地の恵みというところに惹かれました。
チーズクリームベースのソースで、ジャガイモやコーンが載っていて、たしかに北海道的な雰囲気が出ていました。
北海道といえばジャガイモやトウモロコシが思い浮かびますしね。
他にはニンジンや緑の野菜、エリンギ、パンチェッタ(ベーコン)などもトッピングされていました。
彩りがなかなか良い感じのパスタだったなと思います。
大盛りで頼んだのでかなりお腹一杯になりました。
これを食べていたらミートソース系のスパゲティも食べたくなってきたので、次はそちらを食べに行こうと思います。

その「世界」とはどこの世界か

2013-05-12 14:58:15 | ウェブ日記
今朝のTBS「サンデーモーニング」。
番組最後の「風をよむ」というコーナーで、歴史認識の問題を特集していました。
ここで出演していた慶應義塾大学教授の金子勝という人が、「安倍晋三首相のせいで日本が世界から孤立する」といった旨の発言をしていました。

私はこの人の言う「世界」という言葉について大きな疑問を持ちました。
その「世界」というのは、一体どこの国のことを言っているのでしょうかね?
どう見ても中国と韓国とアメリカの三ヶ国だけではないですか(特に中国と韓国)。
この三ヶ国だけで「世界」と言い張るのは、いくら何でも無理があるのではないでしょうか。
仮にも名門大学の教授なのに、こんな酷い発言を平気でするのはいかがなものかと思います
勝手に日本が世界中から批判されていることにしないで頂きたいです。

これも「偏向報道(偏った報道のこと)」の技法の一つで、この場合は「世論操作・世論誘導」といった類のものですね。
もし視聴者がこの教授の言葉を真に受けてしまった場合、「そうか、日本は世界から孤立しているのか…そして安倍首相が悪いのか…」とネガティブな気持ちになり、完全に間違った方向に誘導されてしまいます。
この教授の言う”世界”ではない本当の意味での「世界」から日本は孤立してなどいないし、安倍晋三首相率いる自民党政権になってから民主党政権下とは比べ物にならないほど外交も活発化しています。
民主党政権下では「外交」と言えば中国と韓国とアメリカくらいなものだったのが(しかも壊滅状態)、安倍政権になってから他の国々の名前がどんどん出てくるようになったのが何よりの証です。
強いて言えば、日本が本当の意味での「世界」から孤立しかけていたのは民主党政権下での3年4ヶ月でしたね。
こういったことの一切を無視し、「安倍首相のせいで日本が世界から孤立する」と言い張る慶應義塾大学教授、恐るべしです

「サンデーモーニング」というのは、以前から有名な反日左翼思想丸出しな番組です。
毎週のように偏向報道を繰り返しているし、当然この件も確信犯でやったのでしょう。
狙いはどう見ても安倍晋三首相への「ネガティブキャンペーン」。
安倍晋三首相は「河野談話」の撤回を視野に入れているので、サンデーモーニング的にはそれを何としても邪魔したいのでしょうね。
番組の最後には「これが参議院選挙につながっていきます」などと言って締め括っていました。
この締め括り方だと「安倍晋三首相のせいで日本が世界から孤立しますよ~、投票しないでくださいね~」と言っているに等しく、「公共の電波」を扱うテレビ局がこういった偏向報道、世論誘導をしてはいけないと思います。
どう見ても放送法第4条の2「政治的に公平であること」に違反しているし、どうにか是正出来ないものかと切に思います。

あと、私は以前『NHKの言う「アジア諸国」について』という記事を書いていました。
この中で、「NHKにとっての”アジア諸国”は中国と韓国以外には存在しない」というのを解説しています。
今回のサンデーモーニングではこの二ヶ国にアメリカを足した三ヶ国で「世界」と言い張っていました。
なのでこの手の反日左翼マスコミが「アジア諸国」と言った時は中国と韓国の二ヶ国のみ、「世界」と言った時は中国と韓国とアメリカの三ヶ国のみ、と理解しておいたほうが良いのではないかなと思います。
マスコミが恣意的に使う「言葉」に騙されないように気を付けましょう。

「坂道の向こう」椰月美智子

2013-05-11 20:40:15 | 小説
今回ご紹介するのは「坂道の向こう」(著:椰月美智子)です。

-----内容-----
城下町、小田原。
介護施設の同僚だった朝子と正人、梓と卓也は恋人同士。
けれど以前はお互いの相手と付き合っていた。
新しい恋にとまどい、別れの傷跡に心疼かせ、過去の罪に苦しみながらも、少しずつ前を向いて歩き始める二組の恋人たちを季節の移ろいと共にみずみずしく描く。
(『坂道の向こうにある海』改題)

-----感想-----
物語は以下の6編から成る連作小説です。

朝のひかり―――朝子
小田原ウメ子―――梓
新しい年―――朝子
山桜―――卓也
貝の音―――正人
坂道の向こう―――梓

物語の中心にいるのは一寸木(ちょっき)朝子、倉橋梓、相川正人、山中卓也の4人。
朝子は物語が始まった時点では27歳。
福祉関係の専門学校を出てから介護老人福祉施設、いわゆる特養で7年間働いていました。
そこでは朝子の恋人である正人も働いています。
現在朝子はそこを辞め、「デイサービスセンター西湘」に務め始めて4ヶ月が経過したところです。

朝子と正人は恋人同士なのに何だか冷めた雰囲気もあり、それが気になりながら読み進めていきました。
それもそのはず、朝子の元の恋人は卓也、正人の元の恋人は梓で、4ヶ月前までは4人とも同じ職場にいたようです。
しかし朝子と正人がお互いに惹かれてもうどうしようもなくなって、お互いの恋人に別れを告げて、さらにその別れた元恋人同士が付き合うことになったため、この4人には何となく気まずい空気があるようです。

梓はわりとサバサバしていて、正人に別れを告げられた時もあまり怒りはしませんでした。
どちらかというと自分に合わせる顔がないからと送別会も断り消えるように辞めていった朝子を気遣っている節もあって、朝子より5歳も年下なのに随分達観したところがあるなと思いました。

にしても朝子の名字の「一寸木」は珍しいなと思います。
「ちょっき」と読むようですが、この名字は一度も聞いたことがありませんでした。

4人とも介護福祉関係の仕事なので、打ち合わせとかでばったり一緒になることもあります。
そんな時、取り繕うのが苦手な朝子はかなりギクシャクとした雰囲気になったり、反対に正人はごく自然に振る舞ったりと、それぞれの性格が出ていました。
まあ仕事とはいえかなり気まずい空間だろうなと思います
元彼女やら元彼氏やらと顔を合わせるわけですし。

卓也は飄々と、淡々としているように見えて、本人が語る「山桜―――卓也」を読むと実際はかなりの葛藤を抱えているようです。
何度も出てくる「違うんだ」という心の声が印象的でした。
残りの3人、朝子と梓と正人も、周りから見るその人とその人自身の心境にはギャップがありました。
何でも出来て万能の存在に見える正人も、本人が語る物語では意外な一面が見えました。
どの人も周りから見た印象と実際のその人には差があるんだなと思いました。

印象的だったのが、正人が語る物語で出てきた、梓と朝子に対する心境。
「梓は裏表なくいい娘だった。あまりにもまっすぐで、まぶしかった」
「朝子はまっすぐというより、まっとうなタイプだ」
とそれぞれへの印象を語っていました。
何が言いたいのかすぐにピンと来て、ここで言う朝子の「まっすぐというよりまっとうなタイプ」というのは裏表もあるし、素直じゃない娘だけど、それはそれでまっとうなタイプで、正人的にはそちらに惹かれたということです。
それで梓と別れたのだから随分勝手だなと思いますが、たしかに正人と朝子のほうが合っているようにも思います。
それと、梓の語る「坂道の向こう―――梓」に出てきた以下の言葉も印象的です。

「どこのカップルも複雑なのだ」

結構何度も出てきて、「そういうものなのだ」と諦めているような納得しているようなこの言葉は印象的でした。
やはり梓が一番達観しているなと思いました。

物語のラストを飾る、最後の二文がとても良かったです。
それで全てが上手くまとまったような気がしたくらいでした。
小田原を舞台に季節の移ろいと共に進んでいった恋愛青春群像劇、なかなか良い物語でした


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国益を守ったのに解任

2013-05-10 19:25:08 | 政治
昨日は参議院で川口順子環境委員長が野党八党の賛成多数で解任される事件がありました。
常任委員長が解任されるのは衆参両院を通じて初めてのケースらしいです。

この件、実態を調べれば野党がやっていることがいかに理不尽か分かると思います。
川口順子環境委員長は当初4月23日、24日の2日間の日程で中国に出張。
しかし中国からの申し入れにより急遽25日に楊潔チ(ヨウ・ケツチ)前外交部長(外務大臣)と会談することになりました。
議題が「尖閣諸島」であったことから、日本の国益を守るためにもこれを退くわけにはいきません。
もし川口順子氏がその場にいないとなれば、一方的に中国の主張のみが展開されることになります。
そのため川口順子環境委員長は中国出張の1日延期を議院運営委員会に申請。
しかし野党がこれを拒否したため申請が受理されませんでした。
そんなものはどうでもいいから帰ってきて環境委員会に出席しろと言うのです。
たしかに川口順子氏は環境委員長なので、「何もなければ」25日の環境委員会を開くべきだったでしょう。
しかしこの場合は「尖閣諸島」という日本の国家国益に関わる重大な事案についての会談を先方から持ち掛けられていました。
仮にこの会談をすっぽかして川口順子氏が帰国した場合は「敵前逃亡」の状態になり、「尖閣諸島は中国の領土だ」という例の主張が日本の政治家が一人もいない場で繰り広げられることになっていたかも知れません。
なので日本の国益を守る為にはこの会談に応じる必要があったし、その為に帰国が1日延びるのはやむを得ないことだと思います。
環境委員会というのは、その気になれば「委員長代理」を立てて開催することだって出来たのですから。
野党はそれにも応じず、「委員長がいないから環境委員会が開けなかった!解任すべきだ!」の一点張りの主張を続け、とうとう無理矢理解任決議案を可決してしまいました。

ここで疑問なのが、野党は「国益」についてどう思っているのかということ。
野党のこのやり方は国益の為に動いた人を無理矢理解任に追い込んでいるわけで、はっきり言って酷すぎです。
このやり方だと「国益」がどうなろうと知ったことではなく、どう見ても「党利党略」のことしか考えていないようにしか見えません。
安倍晋三首相率いる内閣に対してなかなか攻め所がなくて焦っていて、やっと見つけたこの件を最大限利用してパフォーマンスをしているようにしか見えないんですよね。

ちなみに野党の方々はたしか、「安倍内閣は中国に対して強硬だ!もっと対話をしろ!」とか何とか言っていませんでしたっけ。
対話、してるじゃないですか。
しかも最後は中国の前外務大臣と日本の元外務大臣という形で。
いざ対話をしたら今度は「解任だ!」ですか?
それではあまりにも場当たり的過ぎるし、何でも良いからとにかく与党の足を引っ張りたいだけにしか見えません。

それと、もうひとつ。
民主党政権下だった昨年、マスコミ、特にテレビはよく「野党は与党の足ばかり引っ張るな!もっと与党に協力しろ!」とか何とか言っていませんでしたっけ?
私はよく覚えていますよ。
あの言葉、再び政権交代が起きて民主党が野党になった今はパタッと言わなくなりましたね。
どうしてでしょうかね。
民主党が与党の時にのみ使う、民主党擁護のための特別な言葉だったのでしょうか。
仮にも「公共の電波」を扱うテレビ局がこういった偏った報道、「偏向報道」をしてはいけないと思います。

最後に、こういった強引な解任で国民の支持が得られると考えているのだとしたら、野党の方々はちょっと国民を馬鹿にし過ぎではないでしょうか。
国民も民主党政権下の酷すぎた3年4ヵ月で色々なことを学びました。
この件も少し調べればいかに野党の言っていることが理不尽かというのがよく分かります。
国家国益を守った人を党利党略の為に平気で解任した野党、この審判を次の参議院選挙で国民が下すことになるので、私も良識ある判断をしていきたいと思います。

「春へつづく」加藤千恵

2013-05-08 23:38:01 | 小説


今回ご紹介するのは「春へつづく」(著:加藤千恵)です。

-----内容-----
卒業式の朝だけ、願い事を叶えてくれる”あかずの教室”の扉がひらく―
人生初の告白をしようと奮闘する少年、母親に「お父さんはミュージシャンの岡村靖幸よ」と聞かされて育った少女、自称”本の森の番人で千二百歳”の図書館司書……
不思議なジンクスを巡り、ひそやかに交錯する八つの願いが行き着く先に見える風景とは―。
今だけしかいられないこの場所、この瞬間の切なる想いと記憶とを鮮烈に描き出す連作短編集。
<特別対談・岡村靖幸>

-----感想-----
この小説を手に取ったのは、文庫本の表紙が漫画「ちはやふる」みたいな雰囲気を出していて、「おや」と思い興味を惹いたからでした。
裏表紙の内容紹介を読んでみて、悪くないなと思い購入。
加藤千恵さんの作品を読むのは今回が初めてでした。

読み始めてみると、どうやら北海道の中学校を舞台にした作品ということが分かりました。
高校が舞台の作品はたまに読むのですが、中学校が舞台の小説はほとんど読んでいなかったなと思います。
そんなわけでそこに新鮮さを感じながら読み進めていきました。
物語は連作八編で構成されていて、以下のようになっています。

一年一組・嶋野知咲
三年二組・小久保雄飛(ゆうひ)
コンビニパート・森住響子
二年一組・鳥井悠乃(ひさの)
二年二組・末次杏奈
一年二組・村中槙人
学校司書・牧野実知花
三年一組・竹部真織

同じ中学校の一年生、二年生、三年生の子が出てきて、作品ごとにリンクしたりもしています。
中学校の近くにあって生徒もよく寄るコンビニのパートさんや、中学校の図書室の司書さんも登場。
そしてどの短編にも必ず出てくるキーワードがあります。
それは”あかずの教室”。
中学校に伝わる伝説によると、卒業式の日の朝、普段は鍵がかかっているはずのあかずの教室が開いているので、そこに行き、窓の外に向かって願い事を唱えると叶えられる、というもの。
願うときのポーズも決まっているらしいですが、それがどんなポーズかまでは分からない。
どの短編でも”あかずの教室”の噂がまことしやかに語られていて、自然と興味はその”あかずの教室”へと向いていきました。
普段は鍵がかかっているはずの”あかずの教室”が卒業式の朝だけ開いている?そんなことがあるのか?と思いました。

そしてその”あかずの教室”の秘密を知る思いもよらぬ人物が登場。
20年前にもその中学校に居たという人物、”あかずの教室”の真相を知っていました。
卒業式の日の朝、普段は鍵がかかっているはずの”あかずの教室”が開くというのは本当なのか?
願うときのポーズとは何なのか?
この辺りが気になるところでした。

どの短編も登場人物それぞれが抱える悩みや想いが描かれていました。
それは生徒だけでなく、コンビニパートの人や図書室司書の人も同じでした。
淡々とした文章の中に時折登場人物の感情が強く表された言葉もあり、ハッとさせられました。
みんな何かしら思い悩むことがあって、それを抱えながら今この瞬間を一生懸命歩んでいるんだなと思いました。
淡々としていながらも感性に響く物語でした。

ちなみに、加藤千恵さんは1983年11月生まれの83年世代。
この世代には綿矢りささん、金原ひとみさん、島本理生さん、青山七恵さんといった若手強豪女性作家がいます。
加藤千恵さんの「春へつづく」もなかなかの良作でしたし、この世代の女性陣は本当に黄金時代だなと思います。
いずれの作家さんもこれからの文芸界を盛り上げるべく頑張っていってほしいです


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ハト

2013-05-06 12:32:03 | ウェブ日記
鳩。
と言っても鳩山由紀夫氏ではないですよ(笑)
鳥のほうのハトです。

たまに窓の外、遠くのほうから鳩の鳴き声が聞こえてくることがあるんですよね。
クックルー、クッククーと。
あれを聞いていると、幼い頃のお祖父ちゃんとの思い出がよみがえってきます
祖父の耕す畑について行って、畑を耕す祖父の横で遊ぶ私。
一緒にじゃがいもを植えたりもしました。
たしかじゃがいもの種いもを等間隔に植えられるように、竹を切って物差しのようにしたものを使っていました。

そして夏から秋にかけて沢山のじゃがいもを掘り起こしていました。
それを塩茹でにして食べたりもして、美味しかったです。
マヨネーズをつけたりもして。
バターをつけてジャガバタにするのも試してみたかったなと、今になってふと思います。
祖父は亡くなってしまったため、もうあのじゃがいもを食べることは出来ません。
祖父が畑を耕すことが出来た最後の年、「おじいからのプレゼントだい」と笑いながら出してくれた、塩茹でのじゃがいも。
既に大人の年齢になって、何となくじゃがいもへの興味もなくなっていた私は、一応笑いながら受け取ったものの、あんまり嬉しそうではなかったかも知れません。
何でもっと嬉しそうにしなかったのかな、大馬鹿者だったなと思います。
そんなことをふと思い出させてくれる、鳩の鳴き声というわけです。