しらの風景

自然と野鳥や生き物が大好き!自然の中には学びがいっぱい。
デザインの仕事をしながら、楽しく生きる智慧を探します。

『証言・臨死体験』(1/23*月)

2006-01-23 | 読書大好き!
『臨死体験』なんて言葉を見ると何かおどろおどろしいイメージがあるかもしれないが、この本の取材をしたのが立花隆さん。立花隆さんは、今まで社会問題、科学技術に対しての鋭いルポをいろいろやっている方で、私も原発関係を取材した本が印象に残っている。
今回、立花隆さんが取材したものということで興味があって読んでみた。この本には23人の体験者が登場し、体験談の信頼性の確保のためにわざと比較的著名人を選んであるらしい。立花氏は前書きで「取材開始からかぞえるとこのテーマに関わってからあしかけ7年になる。それほど長期にわたってこのテーマを追い続けたのも、この問題が、人は死ぬとどうなるのか、人は死ぬとき何を体験するのかという、人の生死の根源的問題に深くかかわっており、そこに興味を持ったからである」とある。最後には「臨死体験にいたるまでの経緯、体験者の臨死体験の受けとめ方、それによる死生観の変化などを含めて、どの体験もユニークである。そこに人間存在の多様性と奥行きの深さを感ぜずにはいられない」とある。
私がこの数々の体験を読んで印象に残ったのは、死ぬ時にはある種の時空(現実の世界とは違う次元のもの)に入ることがあるんだということ。そういう空間が確かにあるのかもしれない。そして、体も動かせず息も絶え絶えで周りからはほとんど植物人間状態で死んでいるように見えていても、その人の意識はちゃんとあるんだということ。これは臓器移植の問題にもからんでくることだ。そして体験者がほぼ全員云うことは、死ぬときはとっても気持ちがよく安らかな心地、死ぬのはちっとも怖くなくなったという言葉。生きるのも死ぬも大きな力に委ねられているという感覚らしい。
そんな体験は持ちえない私だが、何となく伝わってくるものはあった。死を恐れず人は自分らしく生き、思いきりしたいことをして命を天に任せて満足して死んでいけたらいいのかもしれない。