なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

症状は気管支炎

2017年12月13日 | Weblog

 月曜日に90歳女性が内科クリニックから紹介されてきた。超高齢(90歳以上が超高齢者)ではあるが、ほぼADLは良好な方だった。12月になってから、発熱・咳・痰が続いて、クリニックからレボフロキサシン内服が処方されている。症状が続いて、その日クリニックでクリンダマイシン点滴静注とアミノグリコシド筋注も追加されての紹介だった。培養を出す気がしない。

 胸部X線で明らかな異常がないが、白血球数8800・CRP7.6で細菌感染と判断されるので胸部CTも施行したが、肺炎像はなかった。症状からは急性気管支炎・気管支肺炎(経過とともに陰影が出現?)と判断される。けっこう広範囲で収縮期雑音が聴取された。

 この患者さんは10月末に貧血・腎機能障害(血清クレアチニン1.3~1.5mg/dl)・CRP上昇・断続的な発熱で、当院の腎臓内科(大学病院から出張)に紹介されている。腎臓内科セットともいうべき、ANCAを含む外注検査が出されたのかと思ったが、出ていなかった。外注検査としては骨髄腫疑いの血清・尿免疫電気泳動が提出されて異常はなかった。腎性貧血とはいえないとして、経過観察となってクリニックに戻されていた。

 その日は点滴だけ行って、翌日に血液培養2セットと喀痰培養(抗酸菌塗抹も含む~陰性)を提出した。培養提出後にセフトリアキソン1g点滴静注を開始したが、今日は解熱していた。食欲も出てきた。インフルエンザ・RSウイルス・ヒトメタニューモウイルスの迅速検査は陰性。症状からは気道の細菌感染だから、セフトリアキソンで治ればまったくのcommon diseaseになる。

 ただ10月からの問題があり、そちらもできる範囲で精査することにした。血沈118mm/時など何か隠れている状況証拠があり、かなり気持ち悪い。

 それにしても、クリニックの先生の抗菌薬乱れ打ちはどうしたんだろう。必ずカルバペネム系点滴静注しながら搬送する別のクリニックの先生と違って、乱用する先生ではなかったはずだが。

 昨日人工呼吸器を装着した68歳女性は、血圧測定不可の状態で一晩もった。夕方東京から息子さんが帰ってきて、一晩付いていた。今日はVFから洞調律への変化を数回繰り返して、昼過ぎに亡くなった。

コメント (1)
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