糖尿病腎症の43歳女性が外来に回ってきた。インスリン強化療法だが、朝夕はノボラピッドで、夕にライゾデクを使用していた。HbA1cは8%台だった。
Sick dayの時などに調整しくいので、個人的にはライゾデクは使用していない。患者さんに説明して、1回注射の手間は増えるがノボラピッド3回とトレシーバ1回に変更させてもらった。インスリン導入時にそのやり方だったので、特に依存はないようだ。
基幹病院から当院の回復期リハビリ病棟に、脳出血後遺症の83歳男性が転院してきた。主治医の神経内科医から内科にインスリンの調整が依頼された。どういうわけか、ライゾデクが朝・就寝前に入っていた。就寝前?。診療情報提供書の入力ミスかと思って、先方の病院に問い合わせてみた。
薬剤師さんからの返答だったが、かかりつけのクリニックの指示を入院中も継続していたそうで、おかしいとは思っていたらしい。ライゾデクを朝・就寝前に、ノボラピッドを昼・夕に打っていた。通常は朝か夕にライゾデクを入れて、その他2回の食事の時にノボラピッドを入れる。
内科クリニックの先生は糖尿病に詳しいはずで、これは変だ。就寝前のライゾデクが6単位になっていたが、これは0?。この先生は字が汚くて、読みにくい。ライゾデク(10-0-0-0)が(10-0-0-6)に見えた可能性が高い。(年明けに確認しよう)
この方もノボラピッド毎食時とトレシーバ1日1回に修正した。ただ、患者さんのインスリン注射手技はかなりあやしく、自己注射はむずかしそうだという。幸いにお嫁さんが看護師さんだが、日中は自宅にいないので(夜勤もあるか?)、強化療法は難しい。まず強化慮法でコントロールをつけて、現実的に実施できる注射回数に変更していくことにした。
ライゾデクはBOTの形で、食後血糖が一番高くなる時に1日1回行うと、トレシーバ1回よりはいいかもしれない。ただやはり食事摂取の状況が変わった時には対応しにくい。ノボラピッドを併用する強化療法の時には、普通にトレシーバでいいと思う。