なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

血便

2017年12月02日 | Weblog

 今日は日直で病院に出ている。外来受診は比較的少なく、まだインフルエンザは流行していない。

 73歳女性が血便で救急外来を受診した。腹痛・発熱はなく、腹部は平坦・軟で圧痛もない。1か月くらい前に行った上部消化管内視鏡検査では胃幽門前庭部の浅いひらんが散在していたが、出血はなかった。下部は診ていない。直腸指診をすると、真っ黒なタール便ではなく、赤味のある黒色便だった。腹部CTで見ると、虚血性腸炎らしい所見は指摘できない(憩室は以前のCTでもない)。

 BUNが軽度に上昇して、Hbがふだんの12g/dlが9.8g/dlに低下していた。入院して点滴で経過をみて、消化管内視鏡検査は週明けに考慮することにした。

 この患者さんは不明熱で入院して、成人スチル病(仮診断)としてプレドニンで経過をみている。薬剤抵抗性の頻脈性心房細動で2回循環器病センターのある専門病院に紹介して、電気的除細動の治療を受けた。10月にも脳梗塞で入院しているので、内科病棟のお得意さんになってしまった。

 2か月の女児が便に血液が混じって心配ということで受診した。便は普通便(きれいな黄色)でひとすじの血液があった。肛門を見ると、小さく亀裂があり肛門からの出血だった。すでに止まっているので、小児科からもらっている軟膏をそのまま使用してもらうことにした。

 パーキンソン病で当院神経内科に通院している67歳男性が便秘で受診した。内科クリニックからアミティーザ・ラキソベロン液・レシカルボン坐薬が処方されている。便秘は以前からで1日おきくらいの排便だった。直腸指診をすると肛門に痔核がある。便は直腸内に来ているので、浣腸(グリセリン浣腸120ml)をした。便が大量に出て、すっきりして帰宅となった。モサプリドと酸化マグネシウムを追加して、一度外科で痔核をみてもらうよう勧めた。今日はよく肛門を見る日だった。

 今月感染管理の院内勉強会(大学病院の抗酸菌の詳しい先生に依頼)は、「抗酸菌感染症」がテーマなので、「結核・非結核性抗酸菌症を日常診療で診る」佐々木結花編著(羊土社)をそれまでに読んで読んでおくことにした。

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