施設に入所している80歳女性が数日前からの腹痛で、昨日救急外来を受診した。
陳旧性心筋梗塞・うっ血性心不全・高血圧症で治療を受けている。当院の循環器科医がいなくなる時に、悪化した時に診てもらえるように、基幹病院循環器内科に診療情報提供書が出されていた。ただ認知症でADLがかなり悪く、その後に心不全が悪化した時も家族の希望で当院内科に入院していた。通常の治療に反応せず、いよいよ悪化した時はDNRの方針になっていたが、幸いに軽快して退院できた。
腹膜刺激症状はないが、腹部CTで遊離ガスが大量にあり、腸管壁内に小さな気腫像が多発していた。腸管(嚢腫状)気腫症だった。門脈ガスはなかった。この病気になりそうな既往歴・薬剤はないようだ。外科に入院して経過観察となったが、このガスは吸収されるのだろうか。
地域包括ケア病棟ができてからレスパイト入院を始めている。一昨日入院した80歳代後半の男性は主治医の紹介病名が誤嚥性肺炎になっていた。いつ誤嚥性肺炎になってもおかしくない方だった。昨日入院した100歳男性も食事摂取ができなくなっていて、往診診ている主治医が肺炎の治療を繰り返していたらしい。
ふたりとも入院時には誤嚥性肺炎になっていて、レスパイトではなく普通の入院になった。レスパイト入院は地域医療連携室の事務が決めているので、病状がまったくつかめない状態での入院になってしまい、今後の見直しが必要となった。クリニックの先生の誤解もあるようだ。地域包括ケア病棟の(看護)師長さんが慌てて、内科病棟の師長さんと交渉していた。