なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

病院内クラスター

2020年10月16日 | Weblog

 県内の病院で新型コロナウイルスのクラスターが発生した。大学病院の感染症科から専門医が派遣されて、調査に入ったと伺った。

 職員が2日ほど発熱して勤務を休んだ。咳は残っていたが、解熱したので病院で出ていたそうだ。担当する病室に細菌感染症で入院していた患者さんがいて、抗菌薬投与で解熱していたが再度発熱した。

 複数の患者さんが入院中に発熱して、職員の中にも発熱がする人が出た。コロナのPCR検査を行うと、次ぎ次に陽性者が出て、10名を超えたのだった。

 職員がコロナを院内に持ち込んだことになるのか、入院した患者が(通常の病気ではなく)実はコロナだったのか、どちらが先なのか判断は難しい。大学から感染症の疫学に詳しい先生が入って調査するそうだ。

 

 入院患者と職員全員を検査すると小規模な病院でも200名以上になるので、検査も大変だ。たぶん1回ではできないので分けて数日かけて行っているはずで、連日数人ずつPCR検査陽性者が出ている。

 勤務している医師は外来でも病棟でも仕事をしているので、ほとんど全員が濃厚接触者扱いになる。とすると、PCR検査は陰性でも2週間は待機の状態になってしまう。大学病院から診療応援(バイト)に行っている医師も、行くのを止められる。外来診療は止めるとして、入院患者の診療は大変だろう。

 

 病院の職員が(ウイルス性の風邪と思われる症状として)発熱した時に、どのくらい休ませるかは難しい。

 濃厚接触者だと、PCR検査をして、陰性でも2週間の自宅待機になる。これは絶対なので問題はない。

 普通はそうではない(濃厚接触者ではない)ので、そのまま自宅で休んでもらう場合、あるいは念のため呼び出して抗原検査またはPCR検査をして陰性の場合、何日休ませるべきか。

 コロナの退院基準は「発症日から10日間経過し、かつ、症状軽快後72時間経過した場合、退院可能する」だが、それに合わせて10日休ませるのは長すぎるか。7日で感染性はかなり低下しているので、それに合わせて7日くらいでいいのか。

 普通の風邪(ウイルス感染)でも、インフルエンザでも、実際に治るまでは1週間はかかる。普通の風邪だと2~3日で治ったといたりしているが、実際は治っていない(感染性もあるだろう)。インフルエンザで解熱後2日経過していれば登校可能、というのも、発症後1週間経過してないこともあり、まだ感染性を残したまま出てきている。

 感染症専門医の先生に訊いたが、病院の事情として許されれば長めに休んでほしいが、人手不足で難しいでしょうといわれた。

 

 また職員が発熱したら、必ず新型コロナウイルスの検査をするのかという問題がある。国民全体の問題としても、今現在は(ウイルス性の風邪と思われる症状として)発熱したら、直ちにコロナの検査なのか。

 また発熱といっても、38~39℃の高熱もあれば、37.0℃前後(37.5℃未満)の微熱もある。ふだん平熱36.0℃の人が36.5~36.9℃くらいになっていたら、発熱ありなのか。(その人にとっては発熱ありなのだろうが)

 今は毎日義務として体温測定をしているので、体温の変化がよくわかるようになった。当方は平熱36.5~6℃だが、ちょっと熱っぽい感じがして測定すると36.8℃だったりする。たぶん心身の疲労か、(新型コロナ以外の)風邪ウイルスにかかっているのだろうが、これで休むわけにはいかない。

 

 

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