昨日内科医院から貧血の81歳女性が紹介されてきた。内科の若い先生に担当したもらった。
9月初めの血液検査でHb9.3g/dlの貧血を認めていた。HCVは106.0で正球性から軽度大球性になる。当院の放射線科に胸腹部CTが依頼されたが有意な異常はなかった。その後は自院で上部消化管内視鏡検査をするつもりだったとある。
昨日の血液検査再検でHb5.3g/dlと急激に下がったため、慌てて(たぶん)当院に紹介してきたという経緯だった。
MCVからみて、急性出血あるいは溶血になるが、どちらも否定的だった。直腸指診で異常はなかった(タール便・血便なし)。
白血球は5000~6000、血小板30万で正常域にある。白血球分画で芽球はなく、リンパ球の比率が60~70%だった。若い先生も骨髄の問題でしょうかと言っていたが、骨髄異形成症候群が疑われた。
入院で輸血を行うことにしていた。ある程度安心できるところまでHbを上げて、後は除外診断として上部・下部内視鏡検査を行うが、消化管出血は否定的なので大腸検査は便潜血2回で代用してもいいかもしれない。
鑑別として、血清鉄・フェリチンやビタミンB12なども提出するが、前者は正常以上だった(ビタミンは外注)。
その後は骨髄疾患(骨髄異形成症候群)疑いとして、がんセンター血液内科の外来に紹介することになる。
昨日は保健所が行う、「季節性インフルエンザ流行に備えた体制整備に関する説明会」に出てきた。行政上の連絡だから院長先生が出ればいいんじゃないかと思ったが、いっしょに出なさいということだった。
クリニックでコロナの検査をしているところも都市部ではあるという話だったが、郡部では難しいだろう。インフルエンザとコロナの検査は、結局地域の基幹病院や当院で引き受けることになる。
発熱外来受診者がある程度少なければ対応できるが、クリニックからの紹介が殺到すると破綻してしまう。