なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

横行結腸憩室炎

2022年11月05日 | Weblog

 11月1日火曜日に心窩部痛・背部痛の49歳男性が内科新患を受診した。内科の若い先生が新患担当だった。

 10月30日日曜日に心窩部痛・背部痛で、地域の基幹病院の救急外来を受診していた。患者さんの話だが、心電図や心エコー検査を受けて、異常なかったそうだ。原因不明として帰していた。

 その後も症状が持続しての受診だった。37℃台の発熱がある。心窩部に圧痛・反跳痛を認めた。ふだんは糖尿病(DPP4阻害薬+メトホルミンの合剤)・高脂血症でクリニックに通院している。

 急性冠症候群・大動脈解離の評価が必要として、心電図をみたが、まったく異常がなかった。メトホルミン内服を気にして、胸腹部単純CTを施行していた。(緊急時は造影剤使用して問題はないかもしれないが、単純CTで当たりをつけるというのはある)

 大動脈径は正常域で解離を示唆するようではない。上行結腸から横行結腸にかけて、大腸憩室が多発していて、肝彎曲部から横行結腸口側にかけて、周囲脂肪織に軽度に炎症像を認めた。十二指腸下降脚の周囲にも炎症が軽度に及んでいる。(放射線科の読影でも「横行結腸憩室炎疑い」だった)

 確かにこの部位であれば、後腹膜にかかるので心窩部痛と背部痛を説明できる。横行結腸憩室炎として入院となった。絶食・点滴と抗菌薬使用で、入院後は解熱して症状は軽快してきた。

 受診時の検査で、白血球19900・CRP16.8とかなりの炎症反応上昇を呈していた。2日前の発症時にはそれほどではなかったかもしれないが、上昇は始まっていたと思われる。最初に受診した基幹病院では、どう思って帰したのだろうか。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする