火曜日に、COVID-19に罹患した93歳男性の外来アセスメントを保健所から依頼された。入院適応がなければ、ケア付き施設に入所予定だった。
2日前に発症(発熱、鼻汁、喀痰)して、前日に他院の抗原検査でCOVID-19と診断されていた。ふだんは居住していない町(ちょっ遠い)の医院から高血圧症などの処方を受けている。現在はやめているが喫煙歴があり、肺炎で入院した既往もあった。
COVID-19の外来アセスメントは、症状・バイタル・胸部CT・血液検査で行っている。2室あるCTのふだん使用していない方を使用して、そこで採血も行っている。
胸部CTでは両側肺野に気腫性変化を認めて、慢性閉塞性肺疾患(肺気腫)があった。右肺に索状影があり、陳旧性の陰影と判断された。
左肺下葉に索状~斑状の陰影があり、そのまま解釈すれば肺炎の浸潤影だが、ちょっと引きつったというか固い印象がある。陳旧性の陰影が残存したのかもしれない。
臨床的には解熱していて、食事摂取もできる。自覚症状もきちんと表現できていた。血液検査では白血球4200・CRP3.2と軽度の炎症反応だった。コロナとして矛盾しない。細菌性で3日目だともう少し上がるのではないか。
臨床的判断を優先して、予定通り施設療養として、当院入院としなかった。もっともアセスメントの報告を出す直前に、保健所から気管支喘息でステロイド内服・分子標的薬を使用しているCOVID-19患者さんの入院依頼が来て、残っていたコロナ病床の空きがなくなってしまった。
コロナとしてパキロビッド内服(腎障害用)と経口抗菌薬内服を処方して(保険をかけて)、上記のコメントと病状悪化時は再評価が必要と報告した。