3月7日に記載した脳梗塞でリハビリ病棟に転院してきた81歳女性のその後。
3月13日から発熱(微熱)があり)、15日に明らかな左耳下腺部の腫脹(~頸部まで)・疼痛があった。担当の神経内科医が耳鼻咽喉科医に紹介した。
実際は気づかれる1週間前から違和感があったらしい。白血球13500・CRP14.8と炎症反応が上昇していた。耳鼻咽喉科医が造影CTを行った。左耳下腺が腫脹して、造影効果を認める。頸部まで炎症が波及して周囲組織の圧排もあった。
耳鼻咽喉科医が抗菌薬の点滴静注を開始して、解熱している。
内科には糖尿病の治療を依頼されていた。炎症の影響や、食事摂取量低下で血糖が上下に変動して(低血糖で看護師さんがインスリンを休止して、今度は高血糖になった)、どうしましょうと連絡がきた。
病棟に診に行くと、確かに左耳下腺部が腫脹していた。前夜に眠れなかったらしく、一見傾眠傾向かと思うほど眠たがっていた。インスリン量の調整をした。
なんでも20歳代?に唾石症で治療を受けたことがあるそうだ。その後は何ともなかったという。確か以前に1例みたことがあるが、内科で診ることはほとんどないので珍しい。
急性化膿性耳下腺炎は感染症のテキストにもあまり載っていないが、起炎菌は黄色ブドウ球菌が多いが、口腔内嫌気性菌のこともあるようだ。耳鼻咽喉科医はピペラシリンとクリンダマイシン併用していた。自分で使うとしたら、アンピシリン/スルバクタムにするかもしれない。