なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

COVID-19肺炎

2024年12月07日 | COVID-19

 11月29日(金)に施設入所中の80歳代半ばの男性の入院治療依頼が来た。施設内でCOVID-19罹患者が数名出ているらしい。

 この患者さんは11月27日から発熱があり、迅速検査で陽性だった。発熱が続き、酸素飽和度低下がみられたため、施設ではみられなくなった。

 痰がらみが目立ち、酸素飽和度が88~90%(室内気)だった。酸素吸入2L/分を開始した。

 白血球9100(ふだんは5000)・CRP 7.9mg/dLとウイルス性だけではない炎症反応上昇があった。Dダイマー2.7・血清フェリチン611・LDH190(ふだんは130~150)と重症化の指標が高かった。胸部CTでは元々の陰影もあるが、今回の炎症による斑状の陰影が散在していた。

 発症3日目で、レムデシビル点滴静注と抗菌薬(セフトリアキソン)を開始した。食事摂取は難しく、点滴もしていた。

 週明けには解熱していて、酸素吸入も2L/分のままだった。軽快していると思われたが、12月3日(発症7日目)の検査で白血球7700・CRP21.4と上昇していた。CRP上昇は検査時期の問題ではなく、肺炎が悪化しているらしい。

 胸部X線では読影が難しそうで、放射線科に降ろして胸部CTで評価することにした。両側肺野にすりガラス陰影が散在していた。両側肺背側には浸潤影をいえる陰影が増加していた。

 腹側の陰影はウイルス性と思われるが、背側の陰影は誤嚥性肺炎のように見える。相変わらず喀痰は多かった。

 誤嚥性肺炎の悪化として抗菌薬はゾシン(PIPC/TAZ)に変更した。ウイルス性の治療(時期的には抗炎症薬としてのステロイド)をどうするか、呼吸器外来に来ている先生に相談した。

 ステロイドを入れることになり、デキサメサゾン8mg(6.6mg注)/日も開始した。「私ならステロイドだけ投与します」とも言われたが、誤嚥性肺炎は否定できない。抗菌薬とステロイド併用の治療でよろしいでしょう、ということになった。

 

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