12月12日(木)に訪問診療をしている診療所から、コロナの患者さんの入院依頼が来た。進行性核上麻痺で寝たきり状態の80歳女性だった。(関節拘縮あり)
12月7日に発熱39℃があり、新型コロナの迅速検査が陽性だった。12月10日に酸素飽和度が低下して在宅酸素療法を開始して、抗菌薬(セフトリアキソン)の点滴もしていた。
12月12日介護していた家族(娘)も新型コロナに感染して、介護ができなくなったそうだ。急性呼吸不全は在宅酸素の適応はない。そのまま介護ができれば最期まで自宅でみるつもりだったのだろうか。
酸素吸入2L/分で行っていて、救急隊もそのまま搬送してきたが、搬入後の酸素飽和度は90%に満たない。酸素吸入5L/分で94%になった。発語はない。手関節・足関節が拘縮して屈曲していた。
血液検査では白血球7000・CRP35.2と著明に上昇していた。胸部CTでは右肺に広範に陰影が広がっていて、左肺にもあった。
搬入前から人工呼吸までは希望していないことを訪問診療医が確認していた。自力で喀痰を排出できない。末梢の静脈はまだ見えるので点滴は可能だった。
電話で家族に連絡して、できるだけの治療はするが、急変の可能性ありと伝えた。