12月20日(金)は副直をしていた。副直というのは、当直が外部の先生の時に、自分の病院の勤務先から来るので、当院に到着するのは午後7時ということになる。5時15分から時間外になるので、そこから午後7時まで病院に残って救急対応などを行う。
その日は80歳代前半の女性がめまいで救急搬入された。日中自宅で片付けものをしていて、回転性めまいが発症したということだった。
搬入時、意識は清明で普通に会話はできる。特に麻痺はなかった。症状は軽減していたが、一人暮らしなので週明けまでの入院とした。頭部CTは異常がなく、小脳脳幹部病変は積極的に疑うほどではないので、頭部MRIは症状継続時に考慮とした。
問題は肺にあった。入院時検査として胸部X線(臥位)を行ったが、放射線技師さんと同時に「あっ、汚い」となった。両側肺野に肺炎様の陰影が広がっていた。
「間質性肺炎」らしい。胸腹部CTを追加して確認することにした。
2017年に市内の内科医院から胸部CTの画像検査依頼があり(画像だけの依頼)、放射線科の読影レポートは、「(2013年の腹部症状での受診時に撮影された胸腹部CTと比べて)右肺の後側胸膜下の蜂窩線状網状像は増強している」とあった。
今回のCTの放射線科読影レポートは、「両側肺に網状影が広範に広がっている。分布は気管支血管束に親和性があるように見え、NSIPパターンの間質性肺炎/肺線維症疑い。また右肺中葉上葉などにconsolidationがあり、炎症細胞浸潤や肺炎合併が疑われる。」とあった。
確かにUIP/IPFではないように見え、細菌性肺炎併発を疑う浸潤影様のところがある。納得の読影レポートだった。血液検査でごく軽度(CRP1.3~1.8)の炎症反応があり、他に原因がないことから入院後にセフトリアキソンを使用した。
搬入時から発熱はなく、結果的には細菌性肺炎併発は否定的だった。これで酸素吸入は要しない。
患者さんの話では、地域の基幹病院呼吸器内科の外来に通院していたこともあったらしい。経過観察が途中で中止になった?。改めて紹介することにした。